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お仕置きはパーティーの後で5
パチン、パチンと髪に付けられたのは、薄い茶色の犬耳だった。
よくある犬のぬいぐるみ帽子なら、まだ恥ずかしくなかったかもしれない。いや、恥ずかしいか。
春子さんと詩子ちゃん、千春さんの3人に「お土産です」と、うふふと渡された手提げの紙袋。
中身を確かめなかったから、何が入ってるのか、恐らく残った料理やお菓子を片付けてくれという意味で持たされたものと思っていた。
───どうしてこんなアダルティーなコスプレグッズを!あの上品なお嬢様方が!?お土産にとくれたんだ!?!
雪光が開けて見せつけてきた袋の中には更に袋が2つ。
それぞれ犬セット、猫セットと表記されていた……。
犬セットはヘアクリップ付きの犬耳と、ベビーピンクの薄手の生地──シフォン生地と言うものだったか──で作られた極ミニの肩出しワンピース、赤い首輪、ふさふさの付けしっぽに犬足スリッパの五点セット。
猫セットは、白猫の耳カチューシャと、純白の透け布のブラに尻尾付き透け透けパンツ(勿論女性モノ)、鈴付きのブルーの首輪、猫足スリッパの五点セット。
どちらか選んでいいと言われたから、消去法で犬を選んだ。
パンツチラ見せワンピースだってこんな三十路のおっさんにイタイ事この上ないが、女性物の下着を着ける羞恥に比べたら…!!
大体、あんな小さなパンツじゃ収まり切らないだろう、アレが。…いや、見栄張ってる訳じゃなくて……。
「ならば、猫の方は姫始めに使用するか。…いや、正月は正月らしく、着物にした方が…詩子に振り袖を持って来させるか。確か2月22日が猫の日……」
姫始めって、古風だなお前は!
でも振り袖なんか絶対に着ないぞ僕は!
と言うか、結局猫セットも僕に着けさせるつもりか、コイツ!!
まだ何かブツブツと続けているようだけれど、こっちに集中しろ!と咥える唇にはむっと力を込めた。
「っ……」
僕だって鬼じゃない。
歯を立てるような真似はしなかったけれど、少しぐらい痛い目を見てもらわなければ割に合わない。
犬なんだから舐めろとお前が言うから、恥を忍んでこんな服装で足元に四つん這いになって、お前の巨チンを酸欠寸前で咥えてやってるんだから。
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