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46.イワナガヒメ1

※注 意※ 以降学校名が出てきますが、実在する大学とは全く関係ありません。悪意もありません。 それでも気分を害される可能性のある方は、この先を読まれませんようお願いします。 お読みになってからの苦情は受け付けかねますので、くれぐれもご自身の判断でお願い致します。 ---------- 小さな悲鳴、息を飲む音、そして、探偵の低い声。 「これは…予想外だ」 口元に手を当てているから、少しくぐもって聞こえる。 ヒンヤリとした硬い金属が首筋にあてがわれている。 春子さん、詩子ちゃん、それからもう1人、確か千春さん。彼女たちはうろたえた様子でこちらを見ている。 「3人とも、ゆっくり離れて」 声を掛けると喉が動いて、刃先がチクリと刺さった。 「…っ」 女の子たちに気付かれないよう、痛みを堪える。 「風吹…っ!」 高虎が声を上げる。 犯人を刺激してはいけない。思いを込めてその瞳を見つめる。 高虎は小さく頷き、その場に留まった。 ───本物のナイフだ。 ひと思いに頸動脈を切り裂かれれば、出血多量で死んでしまうかもしれない。 ナイフを持つ手が震えている。 これが3人もの女性を殺した手なのか? 「春子お嬢様。どうぞこちらへ」 小刻みに揺れる声が、春子さんを呼んだ。 怒りに震えているのか、自分のしでかしている事への恐怖故か。 「だめ、来ちゃ」 なるべく喉が動かないよう声を出す。 彼女は連続予告殺人の犯人だ。来たら殺されてしまう。 「お嬢様がいらっしゃらなければ、この人を殺します」 守らなくちゃ。春子さんを、守らなきゃ……。 でも、どうやって───!?

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