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小学生時代①-2

「お前さ、自分が何でいじめられるか分かってる?」 「え……女っぽいから?」 「んーっつうか、弱そうなんだよ。まあ、だから女っぽいっていう言い方も間違ってはいないんだけど。こいつなら虐めても大丈夫、って思わせてんだよ。」 「そっか……蓮ちゃんに頼りすぎちゃうのが悪いのかな。今日、蓮ちゃんの彼女とか言われちゃったし。」 僕は自分で言いながら悲しい気持ちになった。蓮ちゃんはそんなこと言われるの嫌だろうってわかってるから。僕がどんなに蓮ちゃんのことが好きでも、恋人になりたいと思っても、蓮ちゃんが僕を好きになることなんてないから。男が好きだなんて、一生言えるわけないんだ。でも、彼女でもいい、蓮ちゃんの恋人になることができたらどんなに嬉しいだろう。 「彼女、ねえ……男にそんなこと言うなんて失礼だな。せめて彼氏だろ、そこは。」 「……え?気持ち悪いとか思わないの?俺が彼女とか言われて。」 「んーまあ男同士で付き合うとか何言ってんだーって思わなくもないけど、お前ならいいかな。お前守るためなら彼氏くらいなってやるよ。」 ドキッとした。そんなこと言われるなんて思ってなくて。蓮ちゃんが今のを本気で言ってるなんて思ってないけど、口先だけでもそうやって言ってくれたことが嬉しくて嬉しくて。少し泣きそうになりながら僕は真っ赤になった顔を俯けた。 「どうした?つか、俺の家着いちゃったけど。どうする?寄ってく?帰るんなら優んちまで一緒に行くけど。」 「寄ってく。」 僕は顔を俯けたままそう答えた。蓮ちゃんは家の鍵を開けて「ほら、入れよ」と僕を促した。玄関に入ると急いで靴を脱ぎ、階段を登り始めた蓮ちゃんの後に続く。二階に上がると蓮ちゃんはトイレに入ったけど、僕は迷うことなく来慣れたこの家の中でも、一番行き慣れた蓮ちゃんの部屋を目指した。階段から右側二個目のドアを開け部屋に入る。部屋は蓮ちゃんの匂いがして、すごく幸せな気分になった。ベッドに座り待っていると、蓮ちゃんが部屋に入ってくる。 「思ったんだけど、僕って言い方やめたらいいんじゃねえか。」 ドアを開けるなり、蓮ちゃんが僕にそう言った。 「僕をやめる?俺とか?」 「うん。僕って言うとさ、やっぱ弱そうだし。」 「いきなり僕が俺とか言い出したら変だと思われないかなぁ……」 「思われるかもな。だから別にいきなり変えなくてもいいと思うぜ。少しずつ、最初は俺と話す時だけで、その後増やしていけばいいんじゃねえ?どうせ慣れないうちに無理して変えようとしたって変になるだけだし。」 「あはは、そうだね。じゃあそうしてみる。」 僕はニコッと笑って頷いた。するとドアの所に立っていた蓮ちゃんがこちらに歩いて来て、僕の隣に座った。

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