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愛とか恋とか衝動とか。2
「おい、話した方がいいって。」
焼きそばパンを頬張っていると、また優が話しかけてきた。
「思ってる事、直接明希ちゃんに話しなよ。蓮 ちゃんはどう考えてんのさ。」
「しつこいな。お前に何か関係あんのかよ。」
「あるに決まってるだろ!俺にとって蓮ちゃんはすっごく大切な友達なんだよ?その友達が彼女と上手くいってないとか嫌だし、俺だってそばに居て心地よくないもん。」
「じゃあ俺じゃないやつと一緒にいれば?」
俺は冷たく優をあしらう。
「嫌だよ!そういう問題じゃないだろ?そんな暗い顔してる蓮ちゃん、俺見たくないよ?ねえ、何が蓮ちゃんに愛が分かんない、なんて思わせたの?」
優はいつも俺の事をよく見ていて、気にかけてくれる。今回も、自分の事みたいに必死な顔で俺を見ている。
「はあ......分かんねえよ、俺だって。ただ、手繋いで歩いてても、喋ってても、そりゃ楽しくない訳じゃねえけど、こいつとずっと一緒にいたいとか、何があっても守るとか、そういう感情が全然出てこないんだよ。ヤってる時だってそう。愛があってやってるっつーか欲の為にやってるって感じ。でも多分明希はそうじゃねえんだよ。だからそれが辛くてちょっと避けてる。」
「そうなのか......でもさ、そう思ってても避けるのは良くないんじゃない?蓮ちゃんが耐えきれなくなってるんだろうけど、そんな避けられてたら明希ちゃんだって辛いんだから。もう無理なら無理ってちゃんと言わないと。」
「でもなんて言えばいいんだよ!愛せない、って言うのかよ!」
正直何かを伝えなければいけないことくらい分かっていたけど、そう簡単に言いだすこともできず悩んでいた矢先、そのことを言われ頭にきたから、少し大きな声を出してしまった。
「そんなことは言わないけど、でも無理だっていうんならきちんと別れよう、って伝えなよ。ちゃんと会ってさ。」
俺が大きな声を出しているのに、優は冷静に話し続ける。そんな姿にこいつってこんな奴だったっけ、と驚いた。そしてその姿に、優が自分の事を真剣に考えているからいつもみたいにふざけたりせず、真面目に話しているのだと分かり、俺は自分もけじめをつけなければいけないと自覚した。
「......わかったよ。話す。」
「うん。そうして。大変なことかもしれないけどさ。困ったことあったら俺に言ってよね。」
「分かった。」
俺は優と別れると、明希にメールを打った。
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