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愛とか恋とか衝動とか。6
それからと言うもの、俺の心臓の鼓動は優を見る度に早くなり、落ち着いて学校に通うことができなかった。あれ以来優はあまり俺に話しかけなくなり、加賀谷や二宮など他の仲のいいクラスメイトたちと行動を共にしていた。一緒に行動しているときにも目を合わせようとはせず、会話が強いられる場面では平静を装っていたが、相変わらず目は合わせないし、以前のような底抜けの明るさや無邪気さも、どこかに消えてしまっていた。
以前と大きく変わったことがそれ以外にも一つあった。それは優ではなく俺の感情に起こった変化だった。今までなら特に気にすることもなかっただろうが、それは優の俺に対する気持ちを知ったからなのか、失恋の影響なのか、今までで一番気持ちのこもった、想いをひたすら訴えるようなキスをされたからなのか。優が他の奴らに触れる度に、それが何か意図を持ったものでないと分かっていても、もやもやして仕方がなくて、どうしても何かが気に入らなくて、時には苛立ちさえ感じるようになっていた。
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