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後日談①-4

「蓮ちゃんてほんと俺のこと好きだよね。」 シャツのボタンを締めながら優が言う。 「当たり前だろ。今更何を......」 「連ちゃんすっごい余裕ない顔してたから無意識だったのかもかもしれないけど、超俺の名前呼んでたんだよ。多分自分が思ってるよりかなり俺の事好きだね。」 あはは、と笑いながらそう言うと、優は後ろから俺に抱きついてきた。 「べ、別にいいだろ、名前呼んだって。てか、お前だって......」 確かに自分が優の名前をそんなに呼んでいた意識はなかったから、それを指摘されて自分の行動に今更恥ずかしくなりながら、優が俺の名前を甘い甘い顔をして、時々キスを強請りながら呼び続けていたことを思い出す。 「呼んだよ、蓮、って。数え切れないくらい。だって俺蓮ちゃんのこと大好きだもん。 ......ねえ、もう一回言って?優、好きって。」 「は、はあ?散々言ったろうが!」 「いいじゃん、もう一回聞きたいな。」 俺より低い背の優が少し背伸びをして俺の耳元でねだるようにそう言う。俺は、自分の顔が一気に、耳まで赤くなるのを感じた。こんな言い方、女が言うみたいでちょっとずるい。無駄にドキっとさせてくるそんな優を俺は可愛いと思ってしまった。 「そ、そんなこと、そう簡単に言えるかよ!」 可愛いなんて思ってしまったから余計に、急に恥ずかしくなって、そう言った。すると、優は俺をさらに強く抱きしめ、「蓮、好きだよ。」と言った。 「俺、言えるよ。何回でも。ね、蓮ちゃんも言えるよね?」 優は抱きついたまま正面に回ってきて、にこっと笑ったかと思うと、「言ってくれるまで放さない。」と口を尖らせて言った。俺の体に回された腕は徐々にきつく締められていき、息が苦しくなっていく。 「うっ......ちょ......苦しい......」 「じゃあ、言って?好き、って。」 優は「好き」という部分だけを俺の耳元で囁く。その時耳にかかる生暖かい息がなんともくすぐったくて、俺はぎゅっと目を瞑った。しばらく黙っていると優がまた口を開いた。 「まあいいよ?言いたくないなら言わなくても。その代わり、今日は帰さないから。」 優はふふっと笑いながら腕を放し、途中まで掛けたボタンを開け始めた。

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