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第3話
いやいや、ちょっと待てよ!!
突然あんな声を出されてビビったのはこっちだっつーのに、何で俺が睨まれてんだよ!
「なあ、」
「ッ、・・・黙れ。」
「はぁ?」
「ンッ・・・いいから黙ってろよ!!」
瀬戸の理不尽な態度に文句を言おうと口を開く度、
俺の肩口から瀬戸が文句を言って遮ってくる。
その様子が何だか気になって・・・
・・コイツもしかして・・・。
「フーッ・・・」
「ひゃ、あッ・・・!・・・・・・・!!」
瀬戸の耳元に顔を寄せて息を吹きかけてみると、予想通り瀬戸の体がビクンと震えた。
「へー・・そっか、瀬戸、お前ココが弱いのか・・」
「はぁ、う・・・も、やめろよ・・・」
わざと耳に息がかかるように話しかけると、面白いようにビクビクする瀬戸。
肩口でハァハァと浅く息をして快感を逃す度、薄くて控えめな唇からチロチロと赤い舌が見えるのがめちゃくちゃエロい・・・
普段澄ましている瀬戸が、真っ赤になって俺を睨みつけている。
そんなあり得ない状況と、瀬戸の弱々しい姿を見ていると、自分の中にある加虐心が最大限煽られる気がした。
なんとか俺から逃れようと身を捩る瀬戸を逃すまいと、俺は瀬戸の足の間に膝を滑り込ませると、再び瀬戸の両サイドに腕をついてドアと俺の間に瀬戸を閉じ込めた。
そして、そのまま瀬戸の耳元に唇を寄せて、わざとらしい息遣いで囁いてやった。
「ほら、抵抗してみろよ・・・。」
「ふっ、う・・・」
フルリと瀬戸が震えるのを感じて、どーだ!とばかりに瀬戸を見下ろした時だった。
ガタンと大きく電車が揺れて、俺の膝が瀬戸の股間にぶつかった。
ぶつかった瞬間に太ももにグリ、と固い感触があって・・・
え、こいつ、勃ってる・・・?
感じてるとは思ったけど、こんなトコでおっ勃てる程耳が弱いのかよ!
俺に気づかれた事が恥ずかしいのか、顔を隠すように俺の肩に顔を埋めたまま動かなくなった瀬戸は、耳まで真っ赤に染めて小さく震えている。
いつも生意気な瀬戸を自分がここまで追い詰めているなんて・・・
もっと感じさせて、コイツがグズグズになった所が見たいーー
勃ち上がった股間に、膝を押し付けるようにして上下に揺すると、
瀬戸はイヤイヤするように俺の肩に額を擦りつけてきた。
「ンッ、も、やめ、ろ・・・」
俺を見上げてやめろと訴えた瀬戸の瞳は不安そうにゆらゆらと揺れていて、目が合うとスグにふいと横を向いて俯いてしまった。
そんな顔をされて、素直にやめる男がどこに居るんだっつーの!
俺は瀬戸の訴えを無視して、刺激を与え続けながら、瀬戸をじっと見下ろした。
「あ、ンッ・・やっ・・・」
都度、こらえきれない喘ぎ声が漏れる。
こんな瀬戸は誰も見た事ねーんじゃねーか・・?
俯く瀬戸の横顔は、下向きの長いまつげがその瞳を覆っていて、鼻筋の通った綺麗な鼻と少し薄い唇をきゅっと結んで、俺からの刺激に必死に耐えていてーーー
その綺麗な顔に釘付けになっていると、瀬戸が瞬きした次の瞬間、その伏せた瞳からキラリと光る粒が落ちるのが見えた。
え・・?まさか、泣いてんのか・・・・?
俺が、泣かせた・・・・・?
女の涙に弱い俺は、瀬戸の目にたまる涙を見て思い切り動揺して、無意識に瀬戸を縫い付けていた膝を引き抜いた。
次の瞬間ーーー
ガツン、と足の甲に衝撃が走って・・・・・
「イッテェ!!!」
「・・バカ深山!俺をからかった罰だ!」
やりすぎてゴメン、なんて素直に謝ろうと思った俺が馬鹿だった。
変な事になっちまったけど、そもそもコイツは女じゃねーし!!
そこから俺達はあまりにも幼稚な言い合いをして、気がつけば俺達が降りる駅のアナウンスが繰り返されていた。
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