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第8話
今度こそ、泣かせちまった、よな・・・?
汗の雫・・・なワケねーだろうし・・・
でも、昨日は泣いたと思って動揺したところを踏みつけられたから、
気が抜けねーんだよな。
瀬戸の事だ。弱ったフリして反撃に出る可能性は十分ある。
それにしても・・アソコ触ってねーのにイクとか・・
こいつどんだけ敏感なんだよ。
こんな敏感で日常生活送れるのかよ・・・。
まあ、さっきまで瀬戸の体質に便乗して散々弄った俺が心配なんて出来た立場じゃねーけど。
下を向いたまま動かなくなったアッシュグレーのフワフワした頭を見下ろしながら、無駄な心配をする俺。
しかし、全然動かねーな。
まあ、男にイかされるとか、考えてみりゃ屈辱だよな。
しかも、触ってねーのに!!!((ここ重要))
可哀想な瀬戸、全てお前の体が敏感過ぎるのがいけねーんだぞ。
最初はそんな風に軽く考えていた俺だけど、それから何分経っても瀬戸は動かなくて・・
流石に心配になって様子を伺おうと腰を落としかけた時だった。
「瀬戸、流石にやり過ぎたよな・・わり、ッ、・・・・!」
ドゴッ!!!
俯く瀬戸の目線に合わせようと腰を落とした瞬間、下から飛んできた瀬戸の頭突きが顎にクリーンヒットして、俺の目の前に星が舞った。
「いって・・ぇえええ!!!」
予想外の攻撃をモロにくらって、顎を抑えてフラツイてしまう。
やっとの思いで目を開くと、目の前の瀬戸はキッと俺を睨みつけていた。
「エロ深山、死ね。」
捨て台詞を吐いて、まだ頭がフラフラする俺を思い切り押しのけてドアを飛び出して行ってしまった。
俺に罵声を浴びせた瀬戸の顔は泣いてなんかなくて、いつも通りの澄ました冷たい表情で・・
なんだよ、心配して損した。すげー立ち直り早いじゃねーか。
いや、やっぱさっきのは演技か・・・?
クソっまた騙された・・・!
でも、あいつパンツの中ベトベトだろ・・どうする気だよ。
顎を抑えて瀬戸が出ていったドアを見つめながら、ぼんやりと考える。
あんな事やった後なのに、あっと言う間にいつも通りの雰囲気になるのが嬉しいような、悲しいような・・・。
そういえば、俺何してたんだっけ・・・
あ、トイレ!と、メシ!!!!
すっかり萎えた俺は、用を足してから慌てて狭山の元へ向かった。
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