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第55話

「大丈夫。これもマッサージです。童貞じゃないなら知ってるでしょ」 渋澤はそう言いながら、挿入を深める。 「ん……んんっ……」 窄まりの中、挿入物が動いたところで渋澤の指が中へ挿入されたのだと気付いた。 「お尻の中に気持ちよくなれるところがあるんですよ。今探しますからね」 そう言って渋澤が中を探るように指の腹で壁面をなぞる。 こんなマッサージ、ある筈ない。未知への期待や好奇心など一瞬にして吹き飛んだ。 一気に押し寄せるのは不安と恐怖だけ。 「ねぇ渋澤っ、僕怖いんだけど……っ、何するんだよっ」 「怖いの?」 「ん、うん、怖い……。止めない?っていうか止めてほしい」 もう止めてくれと懇願すると渋澤の指が中にある一点を掠め、笹本が背を仰け反らせる。 「あぁっ、んっ、やっ……!」 「ここ?笹本さん、声が甘いよ?自分で気付いてる?ここ、気持ちいいんだよね?」 渋澤が笹本の反応したところを目掛け何度も軽く指で突く。 指が窄まりの中を出入りするたびぬちぬちと音を立てた。 「あっ、アっ……、や、やだっ……っ、指抜いてっ、ねぇ、しぶさわっ」 「あーやっばい笹本さん。超可愛い。腰浮いてるよ。本当はもっとお尻弄ってほしいんだね」 「……っ、うそ……?……っ、あ、あっ、やだっ、……っ、ん、んっ」 指摘されて腰が浮いていることに気が付き、うつ伏せのまま自分の股間に目をやると、信じられないことに笹本の息子がむくむくと勃ち上がり始めた。 触ってもいないのに、どうしてこんなことに? 涙目になり混乱する笹本の緩く勃ち上がった性器を渋澤の左手がきゅっと握る。 「ひゃっ……、や、やだっ、やだぁ」 「大丈夫だよ笹本さん。お尻が気持ちいいのも、お尻弄られて勃起するのも、童貞じゃないなら当たり前だからね」 「あっ、ん…………え?」 渋澤の言うことは本当だろうか? あまりに慣れない刺激で思考が停止しそうだった。

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