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第56話

渋澤の手で後ろを弄られ前を扱かれる。次第に後ろを指で擦られる感覚すら気持ちよくなり腰が揺れた。 「あぁっ……、んっ、んっ……んっ」 「気持ちいい?ねぇ、笹本さん」 「んっ、いい……いぃっ、んっ」 「あー、すっげぇ可愛い……、笹本さん、ケツがぷりぷり」 「はっ……ぷっ!?へっ、変なことっ、……っ言わないでぇ、あ、っん」 正直言って、バカになりそうな程気持ちよかった。 こんな快楽がこの世にあったとは。今まで生きてきた中で、自分の右手よりも快楽を与えてくれる他人の手に驚きを隠せない。 それがまた渋澤から与えられている感覚だと思うと釈然としない。 けれど、今の笹本にはこの快感に抗う術がなかった。 一体自分の体はどうなっているのだろう。 尻と性器が繋がっているなんて話しは聞いたことがない。しかも自分は童貞だ。 さっきの渋澤の話しが本当ならば、いつの間にか脱童貞していることになる。 誰かと性交渉した記憶なんて一切ない。渋澤の言葉は絶対嘘だ……! 渋澤の手が笹本を絶頂に導くべく、強弱を付けて巧みに動く。 くびれ部分を擦られると射精してしまいそうだった。頭は射精することでいっぱいだ。 「あぁっ、も、イくっ……っ」 「ちょっと待った」 「あ、ひあぁっ」 ずるりと後ろから指が抜かれ、おかしな声が抑えられなかった。 どうして渋澤は指を抜いたのか、今何が起きているのか、只々出したい一心の笹本には理解できない。 直後、尻朶と腿の間に、硬くて熱いものが差し込まれた。 「笹本さん、太腿とお尻締めて挟んで」 「え……?こ、こう?」 言われるがまま差し込まれたものをきゅっと尻を締めて挟みこむ。 笹本の背後で渋澤が動くと、ローションの滑りでぬるぬると挟みこんだものも動いた。 「そうそう、笹本さん上手だね。そのままぎゅっとしといて」 「な、なに、これっ、渋澤のちんこっ!?……あっ、やっ」 それが何なのか嫌でも目に入った。勃起した自分の性器の下から見慣れない他人のものの先端が顔を出している。 笹本は腰を掴まれて、腰だけ高く上げながら渋澤のしぶさわが前後に動く様を凝視した。

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