57 / 206

第57話

尻に渋澤の太腿がぶつかり、ぱんぱんと音を立てる。 まるでセックスでもしてるみたいなこの体勢。しかもぬるぬるとローションまみれになった腿と性器を渋澤のもので擦られると背が仰け反る程気持ちがいい。 「あっ、アっ、や……っ、やぁっ」 「やべ、イきそう……」 「ひっ、はっ、ふ、ふざけんなっ、ぼくより、先イったら、ゆ、許さないっ……!」 悪戯にここまで張り詰めさせられて、自分より先にイきそうとは何事だ。 どういうわけか悔しさと競争心が迫りくる。 笹本は自分の心理状態を理解できなかった。 「何、一緒にイきたいの?ほんと、笹本さん可愛いっすね。いいですよ先イって」 「あ、あん、あぁっ……!」 再び渋澤の手で扱かれながら先端を弄られ、笹本は呆気なく達した。 程無くして背後で動く渋澤の太腿がより強く尻に打ち付けられ、射精の波に身を委ねていた笹本の視界が渋澤の達する瞬間を捉えた。 間近に見る、その瞬間。 「……っ」 ドキドキと心臓が早鐘を打つ。これは一体何なんだろう。自分は渋澤と一体何をしてしまったんだろうか。 「はー……。超気持ちよかったですね、笹本さん!」 背後でどこかすっきりしたような渋澤の声がして、笹本は振り返る。 「今の……何?」 「あぁ。なんていうか、抜き合いの進化バージョン的な。友達同士のスキンシップですよ。あ!風呂丁度お湯溜まりましたね。笹本さんの気になってたバブルバス、やってみましょうか」 「……うん」 話しをはぐらかされたような気がしたが、バブルバスが気になって深まる疑問に蓋をした。 風呂に入る前に体についたローションやらを洗い流し、バブルバスのスイッチを入れる。すると底に沈ませたマットの丸いパッチから泡が発生し、泡の力を強めるとボコボコと気泡が絶え間なく湧き上がる。

ともだちにシェアしよう!