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第61話

結局この後渋澤に乳首を揉まれ、座ったまま腿の間に渋澤のものを挟まされて、いつの間にか再び勃起してしまった性器を擦られながらバブルバスの中でイかされた。 「っは、はぁっ、………」 「笹本さんの体エロくて正直……太腿すべすべ……最高」 「うるさいっ!反省してるのかなって、ちょっと可哀想に思った僕がバカだった!もう、もう二度とお前と一緒に出かけたりしないからな!」 ざばざばと湯を撒き散らし風呂から上がり着替えを済ませた笹本は、「お前なんか嫌いだ、バカ!」と、捨て台詞と共に万札1枚を渋澤に投げつけてホテルから逃げるように帰宅した。 この日は終始気持ちがむしゃくしゃとして落ち着かず、レンタルDVDも見ることなく布団へ潜り込んだ。 渋澤に悪戯されて体はクタクタだった。 体とは裏腹に神経は冴えに冴え、今夜はきっと悶々として眠れないと思っていたが、疲れた体は休息を求め、笹本はいつしか眠りに落ちた。 翌朝、メガネにマスクで出社した笹本は極力視界に渋澤を入れないよう細心の注意を払った。 友達として付き合いたいと言った渋澤のあの言葉は全てが嘘で、渋澤が望んだ笹本との関係は恐らくセフレ。 なし崩しにそんな関係を築こうとした渋澤に恐怖を覚えるが、それに流されかけた自分も怖い。 「好き」という甘い言葉も嘘か真か。 仮に真だとしてもそれに応えるつもりは毛頭ないのだけれど。 昨日の事を思い出すと沸々と腸が煮えくり返る。 思い出すまいと集中して日常業務をこなし、結果、意外といつもよりも捗った。 そんな折、笹本の机に旅行のパンフレットと思しき束がばさりと置かれ、笹本はキーボードを打つ手を止めた。 「笹本くん、これ纏めといてくれないかな?今月末には全社に通達出したいんだよね」 「あ、はい……」 早速手に取り、資料の概要を黙読する。 ─何々。社員旅行……?旅行希望者を纏め、旅行会社へコンタクトを取り宿泊先などを手配。社内旅行の手はずを整える? うわ、めんどくせぇ。

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