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第131話

「かわい……」 唇が離されたかと思うと小さくそう囁かれ、再びまた唇を塞がれる。 吸われ、舐められる度、笹本の体かぞくぞくして、びくついて、自分の体全身で渋澤のキスを受け止めているような気分になる。 口内を舐め尽くされているというのにその感触は情熱的というよりも、愛情を確認するためのような優しいキス。 ふわふわした心地に自分を預けるのが気持ちよくて、終いには自らもっととキスをねだるように渋澤の口に吸い付いてしまったかもしれない。 全ては酒のせいにして、明日の朝には忘れたふりをすればいい。 そんな狡いことを考えながら、ベッドへ雪崩れ込み、そのまま渋澤とくっついて眠りに落ちた。

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