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第152話
渋澤が時折唇を窄めて吸い上げる。
「ひゃあっ、あっ、いやぁっ」
イきそうでイけない寸止めの状態を何度か繰り返し、笹本は慣れない快感で悶えながら目に涙を浮かべる。
笹本はびくびく跳ねる体をベッドに押さえつけ、愉悦の波をやり過ごそうとした。
しかしそれに気付いた渋澤が口に含んだまま顔を上下させて屹立したものを扱き始める。
笹本の切ない喘ぎと、口淫のちゅ、ちゅという音が重なり、耳から入る音まで刺激となって笹本の腰をくねらせる。
「うぁっ、……あっ、アっ、アぁっ……ダメっ、出るっ……!し、しぶさわっ、は、はなしてっ……!あぁんっ」
初めての口淫がもたらした快楽があまりにも鮮烈で、ものの数十秒で笹本は体全体を震わせながら渋澤の口内で吐精した。
「んっ、んっ……、んっ」
吐き出した後も渋澤は先端を吸って、茎を清めるかのように丁寧に舌を這わせた。
くたっと笹本の体から力が抜けたところで渋澤が顔を上げる。
「ごめんね笹本さん。よくなかった?」
「……気持ちよすぎて、死ぬかと思った」
「良かった」
「あの……僕が出したの、どうした」
口淫が始まってから終わるまで、笹本自身が渋澤の口内に収められ続けていたという記憶しかない。
笹本はまさか……と考えたが、そのまさかだった。
「飲みましたけど。俺も無理やり飲ませちゃったし、これでチャラにしてください。あんまりえぐみもなくて飲みやすかったっすよ」
「~~~っ……!」
言葉にならない恥ずかしさに襲われて笹本はまた顔を真っ赤に染めた。
赤くなりながら膝をもじもじと合わせて股間を隠そうとする笹本を見て渋澤がにやにやしていたが、「あ」と声を上げ壁に掛かった丸い壁掛け時計に目をやった。
「笹本さん、もしかして最終バス終わってません?」
「あ……」
笹本の乗るバスの最終時刻は23時に1本だけ。
時計はちょうど23時を指していた。
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