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第195話
どこを触るというのだろう。
疑問が生まれると同時に「うん」と頷いていた。
きっと今なら、渋澤の手でどこを触られても気持ちいい。
「素直だなー、かわい」
耳元にちゅ、と口付けられて期待に体が震えた。
渋澤の手が伸びてきて、腰を浴衣の上から撫でられそうになったその時、笹本はあることを思い出した。
脳裏を掠めたのは小泉のことだ。
「渋澤ちょっと待った」
渋澤とエッチなことがしたくて頷いた時とは打って変わって色気などこれっぽっちも感じられない冷静な声だった。
それには渋澤も「は?」と眉をぴくりと動かした。
「どうしたんですか?」
「そろそろ小泉が戻ってくるんじゃないかなって」
「あー、あいつなら当分戻ってこないと思いますけど」
「そう?ビール買いに行っただけだろ。こんなところ見られたらまずいじゃないか」
「いやいや大丈夫ですって。俺わざわざあいつに超絶山奥の秘境まで行けって指令出したんすよ。そう言われて簡単には戻ってこないっしょー」
「渋澤ひどい。秘境ってそういう意味だったのか」
「今さらっすよそんなの。ていうかこんな話してる間にちんこ萎えちゃうよ」
「んっ」
渋澤の手が浴衣の上から中心をするりと撫でた。
小泉のことは気掛かりだが渋澤はもうその気になっていて、笹本の体も期待してしまっているのは確かだった。
「笹本さんの可愛いところ見せて」
「かわいいところって……」
「こことか」
渋澤が笹本の体を抱えていた手を動かして浴衣の合わせ部分から手を入れて笹本の胸をまさぐる。
「くすぐったい」
「こことか」
渋澤の反対の手が帯の下をはらりと捲り、緩く勃ちかけた笹本の性器を下着の上から撫で上げた。
「ん、ん……」
「声もかーわい」
厭らしい顔をした渋澤が笹本の顔をじっと見ていた。
感じている表情を観察されていると気付いて笹本が顔を背けようとするが、再び唇を塞がれて顔を隠すことなどできなかった。
胸に滑り込ませた渋澤の手が笹本の乳首を探り当てる、
指先でふにふにと揉まれているうちにつんと芯を持ち尖り始めた。
むず痒いような、痛痒いような、変な感覚。
けれど下腹の下にその感覚が快楽として広がっていく。
笹本は中心も弄って欲しくて、自分から脚を開き始めた。
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