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第204話

愛しいと言われて背中が震え、きゅうっと結合部分が締まる。 「んんっ……」 「きっつ……、すいません、全然余裕なくて俺……。本当はこんな床の上じゃなくてベッドの上で愛したかったんすけど」 「いいよ……そんなこと。平気だ」 「膝痛くない?」 「大丈夫だから、動いていいよ……」 さっきよりも随分渋澤の形が後ろに馴染んだ気がする。 圧迫感は相変わらずだが、痛みは感じない。 「ありがと」と渋澤が呟いてはっと息を吐きながら、ゆっくり渋澤が腰を打ち始める。 浅いところをゆるゆると擦られ、淡い快感が生まれる。 快楽のさざ波は徐々に大きな波となって笹本を飲み込んだ。 渋澤は的確に笹本のいいところを掠め、突く。 内側を何度か擦られただけで、笹本の性器がまた緩くゆら、ゆらと立ち上がる。 「あっ、あっ、んっ、あんっ……」 気持ちいい以外のことが考えられなくて、変な声も止まらない。 気持ち悪いこの声を渋澤は可愛いと言う。 そう言われ、下肢全体がぎゅんっと絞られるように切なくなり、笹本は泣きたくないのに涙を溢した。 渋澤は更に奥を穿つ。 徐々に動きが大きくなるのがわかり、その情動を受け止めるため、笹本の手足に自然と力が籠る。 「ひっ、やっ、深いっ……!やっ、あっ、やぁっ」 「こんな、激しくして、ごめん……、笹本さん、一緒にいこ……?」 渋澤が内側から笹本の前立腺を抉る。 あまりに鋭い快感に襲われ、笹本の四肢がぶるぶると震え戦慄いた。 「もうだめ、だめ、しぶさわっ、い、イっちゃう、よぉ……っ!ひあぁっ」 肉のぶつかる音と、くちゅんくちゅんと濡れた結合部が擦り合わさる音の中に笹本の悲鳴にも似た矯正が合わさって、その瞬間、時が止まったようだった。 二人は達し、その余韻の心地良さに浸る。 「笹本さん、大好き」 ─僕も。 力が抜けた笹本の上から繋がったままの渋澤が笹本の上体を持ち上げ、渋澤が下になって床に二人で転がった。 ─好きな人とするって、すごいことだったんだ……。 男と後ろを使ってするセックスが、まさかこんなにいいだなんて。 でもきっとそれは相手が渋澤だからだよなと思わずにはいられない。 ─素肌が触れ合うのも後ろから抱き締められるのも、渋澤だから……。 笹本はうっとりしながら、瞼を閉じた。

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