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第34話 先生からの回答です。
腕を引かれ、連れて行かれた先は洗面所。そこにはでかい鏡が一面に貼ってあった。
「剣斗」
その鏡に、なんか、いつもの自分とは違う俺が写ってる。
「さて、質問はなんだっけ?」
「っ、ン、ちょ、耳元、よえぇんだって」
ゾクゥってした。耳のすぐそばで低い声で囁かれて、また、身体の奥がじんわりと熱くなる。
「そそられないか、だっけ?」
「ン、つっぁ……ぁ」
「どう思う?」
「あ、ぁっ」
色気のある声なのに、口調が、まるで勉強を教えてくれる時みたいで、逆に煽られる。真面目なオベンキョーを教えてくれた声で、やらしいことを尋ねられるとか、興奮する。
「ぁ、ン……」
手、中、入って欲しい。服の中に侵入して、俺の乳首をいじってくれ。ズボン越しじゃもどかしくてどうにかなりそうだから、孔んとこ、ちゃんと触って。
そんなおねだりに自然と身体が後ろにいる和臣欲しさに擦り寄った。
「ぁ、和臣の……」
「これでも、そそられないと思う?」
「あっ」
尻の間で擦れるその硬さに思わず、洗面所のシンクを握る手に力がこもった。そして、目の前にある鏡に、自分がすげぇ顔をしてそうで、今、甘い声で啼いた自分を見ないようにと俯いて、目を瞑った。
「ダメ、見て」
「や、ぁ……あぁあっ!」
服の中に入った来た手が待ち侘びてジンジンしていた乳首をいきなりキュッと摘む。
「あ、はぁっ」
涎、垂れそう。
そんくらい、乳首をされるのが気持ちよかった。先端を爪でカリカリってされてから、指二本でクリクリ捻られて、押されて、また引っ掛かれ、弾かれる。その刺激に指先まで痺れて、そこをいじられてるってことばっか考えるくらい。
「も、ダメっ」
じっとしててられない。刺激がすごくて、もっと強くてガッツリした気持ちイイのが欲しくて、身体が軋むみたいに悲鳴を上げる。
「ン、ぁ」
もう、欲しい。この硬くなってるのが、今すぐ、欲しい。和臣とセックスしたい。したいしたいって、身体がまた熱くなった。そんで、気が付いた。
「なぁ、風呂、貸して? 俺、まだ風呂入ってないんだ。俺、くさくね? キャンプファイヤーしたし、薪運びもやらされて、汗くさい」
こんなことになるんだったら、さっきシャワー浴びればよかった。抱いて欲しくて仕方ないのに。
「え? ちょ、和臣? あのっ、待っ、俺、くせぇんだって」
ちょうど洗面所だし、すぐそこにシャワーがあるから、そのまま汗だけ流させてくれって思ったのに。和臣の手は止まることなく乳首をいじって、抓って、引っ掻いてくる。
「や、和臣っ、ひゃあああっ」
しまいには後ろから汗くさいはずのうなじにキスをされて、急に恥ずかしくなった。くさいなんて思われたくなくて、慌ててるけど、和臣の唇はうなじへのキスを止めない。指も乳首をずっといじめてくる。
「や、だっ」
「剣斗の匂い」
言われて、急に興奮とは違う、羞恥の熱が頬を走った。
「興奮するけど?」
「っ」
「あと、もう一個、質問あったっけ? なんで、一回しかセックスしないの? だっけ?」
言いながら、乳首を指で押されて、捏ねるようにいじられて、また汗をかきそう。
「そんなの、どっかでセーブしとかないと、盛りそうだから」
「あ、ちょっ」
「剣斗の色気、ヤバイんだよ。今の顔、見てみ?」
「っ!」
グンと背中に乗っかられて、鏡の前にお辞儀でもするように前のめりに、二人でなった。あわや、鏡に衝突ってなりそうで、手をついたら、その手に和臣の手が片方だけ重なって、身体も重なって、密着度が高くなる。
「そんな色っぽい顔して、乳首をこんなに敏感にさせて、そんで……」
「待っ、……っ、ン、あ、ぁっ、ン」
片手を重ねられてて、もう片方の手も火照ってる今の俺には咄嗟に動かせるわけがなくて。手がズルリと下ろされたズボンと下着を押さえられなかった。露になったそこは、張り詰めて、もう先走りで先端が濡れてた。
「こっちも涎ダラダラにして」
「あ、あっ、和臣っ、ぁ、ン」
「な? 我慢してセーブしないと……見て、ほら」
自分だけど、自分じゃないみたいだ。気持ち良さそうな顔。乳首をいじられて、ペニスだって扱かれて、快感に甘い声が零れて、頬も真っ赤で、目も潤んでて、そんで、開いた唇はキスのせいなのか、感じてるせいなのか、濡れてる。汗くさいのを気にして恥ずかしがって噛んだから、ぷっくりしてた。
「和臣……手」
俺のを扱いてくれる手を掴んで、そのぷっくりした唇で咥えた。
「っ、剣斗」
そのまましゃぶって、びしょ濡れにして。
「この指で、孔んとこ、して」
昨日もセックス、一回だけどした。丁寧にたくさんほぐしてもらって、トロトロになるまで柔らかくしてから挿れてもらったから、まだ少し柔らかいかもしれない。だって奥んとこがジクジク火照っててる。和臣の形になりたいって疼いてる。
「そんで、盛れよ」
「……」
「和臣の欲しいだけ、俺のこと抱いてよ」
汗がどっちのかわからなくなるくらい、液でドロドロになるくらい、俺のこと欲しがって?
「好きにして?」
真っ赤だった。自分から服脱いで、ピンと勃起した乳首を和臣に見えるように自分の指で押して、尻んとこ、和臣がしやすように腰をくねらせて背中を反らした。
「バカ、知らないからな」
「バカはてめぇだ」
おかめの代わりに合宿まで来て、そんで講師に捕まったりして。俺のこと追いかけるくらい好きなくせに、ヤキモチ焼きのくせに、たくさん我慢したりして。
いいのに。
俺のこと好きにしていいのは和臣だけなんだから。むしろ負担くらい大歓迎だ。
「いいよ。全然。たくさんしたいのは俺のほうだから」
笑いながら、後ろにいる和臣にキスをして、盛って欲しいとその唇を舐めて誘った。
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