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第57話 きゅんきゅん、ぎゅうぎゅう

「あっ! 和臣っ」  無意識に大好きな名前を呼んで、自分の指が見つけた前立腺に震える。ここ、こんな感じなのか。  いつも、ここを指で、和臣ので、擦られて、押されて、可愛がられると。 「ふっ……ン、んっ」  鼻先をぎゅっとベッドに押し付けながら、和臣の指を真似て、中を擦る。和臣がしてくれたことを瞑った目の奥で思い返して、夢中になって指を動かして。 「ン、ぁ……和臣」  ――気持ちイイ?  俺の身体ってこんなにお前のこと欲しがるの? 指なのに、自分の指だってわかってるのに、そこが絡みついてくる。前立腺をイイコイイコってしてやると孔の口がぎゅっと指を締め付ける。うねって、腰も揺れて、乳首だって。 「ぁ、あっ、ン、コリコリ、して、るっ」  こんなに硬くなってる。その硬いとこを爪で引っ掻くとゾクゥっと背中を快感が駆け抜けた。  ――舐めて欲しい?  欲しいよ。和臣の舌でびしょ濡れにして欲しい。  ――こっちも?  うん。そっちもして。孔のとこ、もっと指で、もっと太いのでめちゃくちゃに蕩けるほど、そこを。 「欲しがりだな、剣斗は」 「!」  飛び上がった。心臓が一瞬止まって、思考停止で身体中が大混乱になる。 「かっ、和臣ッ? あ、なっ」 「エロい顔、お前、オナニーする時、そこもちゃんといじるの?」 「いっ、いじってねぇ! っつか、ちゃんとってなんだよっ! おまっ、いつっ」  ちょっと前に帰ってきたって爽やかに笑ってる。見られた? 見られたよな? っつうか見られないわけがねぇ。半裸で自分のケツ孔と乳首いじってるとこ。 「なんで、 自分ちなのに、そっと帰ってくんだよ」 「部屋、明かりが点いてるから、剣斗がいるんだろうってわかってさ。びっくりさせようと思ってそっと鍵をあけたんだけど。まさかこんな剣斗が見られるなんて……っと、何、逃げようとしてんの?」 「ちょおおおおおお」  半裸だったから、とりあえず服を着ておこうと思った手を捕まれ、そのまま、一人遊びの相手をしてもらってた和臣のベッドに押さえつけられる。 「オナニーの時の声も可愛いけど、お前、叫び声も可愛いのな」 「んぎゃっ! バッ、バカだろっ! っつうか、酔ってるだろ!」 「酔ってるよ。酒臭い?」 「知っ、ン……んん」  オナニーしてるとこを見られた。しかもいじってたのは前じゃない。身体が欲しがったのは、後ろのケツが、乳首が、気持ち良くなるやらしい刺激。オカズはエロい動画じゃなくて、好きな男のベッドシーツ。そんな欲しがりな自分を慰めるとこなんて見られて、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしいのに。 「ン……ん、ん」  なぁ、和臣。 「ん、和臣ぃ……ン、ぁ」 「このまま挿れて、いい?」 「ン、ここ、早く、来て、俺の中にそれ、ちょーだい」  酒飲むと、唾液までアルコールって沁み込むもん? 「早くゥ……ここ、熱くて、和臣の、欲しくて、おかしくなるっ」  キスしたら、恥ずかしいとか吹っ飛んじまった。そんで、今さっき一人遊びして、ヒクついてる孔を自分の手で広げてもっと恥ずかしい格好で、待ち焦がれてたセックスをおねだりしてた。  指で散々一人遊びしてたのに、その指が和臣のになっただけで震えるほど身体が悦んでた。なんで同じ指なのに、こんなに違うんだよ。いっぱいいじったのに、なんで和臣の指で前立腺撫でられただけで、イけんだよ。  意地悪な和臣が中へ、奥までちゃんとほぐれてるか確かめるために挿れた指に身悶えながら、射精して。イった余韻にキュンキュン締まる孔を指じゃなくて太くて硬い和臣のに刺し貫かれただけで、出したばっかのペニスがまた濡れた。 「あ、あぁっ……ン、あ、ン、和臣っ、そこ、好きっ」  ほら、やらしく濡れたセックスの音がする。 「ひ、あっ! あぁっ……ン」  奥をぐっと抉じ開けられて、また、前も、繋がってるとこも、そのもっとずっと奥も熱くなって濡れる。ずちゅぐちゅって卑猥な音がする。そんで、見上げれば和臣が気持ち良さそうにしかめっ面してる。 「剣斗の中、すげ……気持ちイイ」 「ン、俺も、和臣の気持ちイイ」  久しぶりにセックスしてる。  ずっと恋しかったから、たまらなく嬉しくて、もっと欲しいよ。ここもっといっぱい可愛がって、いじめて欲しい。  だから、股を大胆に開いて、膝が自分の身体につくくらいに折り曲げて、和臣の首にしがみついた。 「ン、あ、キス、欲し……ン、んん……くっ  唇に吸い付いて、ベロ同士でも触れ合って、そのままキスでも絡まり合って。 「ン、ん、ぁっン……あっ」  突かれる度に爪先が跳ねる。 「可愛い声」 「ぁ、ン……ああっン」  可愛いって言われて、もっと可愛いく思われたくて、声をあげた。  そんなわけねぇじゃん。俺みたいなのが可愛いわけねぇってわかってるけど、和臣にだけは可愛いって思われたいから、もっと俺に夢中になって欲しいから、素直に声あげて、中を掻き乱す和臣の太いのをきゅんって締め付ける。 「さっきひとりでいじってた時」 「あっあぁっン」 「ホント、お前って」 「ヒ、ぁ……ン」  誰も知らない意地悪な和臣を独り占めしたくて、孔で、腕で、ぎゅっと抱きつく。 「ぁ、あああっン、そこ、ダメ、もっ……イっ」  グン遠くをいじめられて、性感帯がざわつく。身体の奥がうねって締まる。 「ン、だって、久しぶりの、和臣のベッド、興奮、したっ、ぁ、イくっ」 「っ」 「和臣も、俺に、会いたかった?」  中で和臣が暴れてる。この太いので、俺の奥んとこたくさん可愛がって。 「当たり前だろ」 「ん、言って。なぁ、っ、俺に」  この硬くて熱いので俺の中、たくさんいじめて。 「会いたかったよ」  きゅんってしゃぶりついて。 「ン、あ、そこ、もっと突いて」 「早く会いたかった。早く、剣斗のこと」  離さないから。 「抱きたかった」 「あ、あっ、イくっ、イっちゃう。俺」  涎ダラダラにした前をいじらなくてもイけちゃうくらい、やらしいこの身体は和臣に抱かれたくて仕方なかったんだから。 「ン、あっ、イくっ」 「っ」 「イっ…………!」  たくさんいじめて、可愛がって、愛して。

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