ぞっこんなんだ。 「あっ……ぁ、ふっ……っ」 　掌にも、指にも、その瞳にも、なんだったら足の先っちょまで、ひとつひとつが愛しくて、ひとつひとつに恋をしてる。 　そんなだから、お尻んとこを指でほぐされてるだけでもおかしくなりそうに気持ちよくて、そっから今度、和臣の硬いので抉じ開けられたら、もう、なんか、ヤバいんだ。 「あンっ……んんっ」 「こら、剣斗、声我慢するなよ」 「あぁぁぁぁぁっ」 　膝立ちになってる俺たちに合わせて、ベッドが揺れる。後ろから抱き締められて、繋がりながら、乳首、抓られたらダメなのに。 　敏感になって尖った乳首の先端を指で攻められると良すぎて意識飛んじゃいそうになるから、自分の手の甲で口元を押さえてた。 　なのに、声を我慢すんなと、両手を掴まれて、後ろに引っ張られ、奥を和臣のでグンって突かれて。 「や、ぁっ……ン、また、イっく、からぁ……」 「いいよ」 「やっン、んんっ、ぁっ」 　そのまま、深くまで抉られて目の奥で星が点滅した気がした。きゅんって、奥が和臣に絡みつくのが自分でもわかる。きつくして、そんで、和臣の形になりたいみたいに内側が音しそうなくらいしゃぶりついて。そこを小刻みに攻められて、手綱みたいに引っ張られた手がぎゅっと握りこぶしをつくった。 「ああっ」 　気持ち良すぎんのに。それでも奥までもっと突かれて、抜けちゃうギリギリまで腰を引かれて、そこからまた深くまで。 「あ、あ、ああああああっ」 　貫かれた瞬間、前立腺のとこを竿で擦り上げられながら、またイってた。 「あっ……はぁっ、ンっ……ぁ」 「っ、剣斗の中、うねって、っ」 「あぁっ、ン」 　自分で和臣のこときつく締め付けて、自分で甘い声を上げる。感度が振り切れてて、止まらなくて。今、イったばっかなのに、奥がまた切なくなるんだ。 「今日の剣斗の感度、すごいな」 「ん、だって」 　だってさ、和臣がいけないんだろ。 「和臣、カッコいい」 「俺？　どこが、カッコ悪いだろ」 「ン、ぁっ……そ、れに、嬉しかったんだ。ヤキモチしてくれた、の」 　さらうように、神田が俺に触れるのを嫌がってくれたの、すげ、嬉しかった。 「俺、いっつも、和臣のこと、すご、好き、だから、誰にでも、妬いてる、し」 「……」 「かっけぇから、さ……俺、ガキで色気なんて、ねぇ、から、もっと、色気ある感じに、なりたくて、そんで、浴衣、あ、やぁっ……ン、抜けちゃっ」 　浴衣デートだったら、少しくらい大人っぽくなれっかなって言いたかったけど、喘ぎで言葉が止まった。 　繋がりを解いて欲しくなくて、深くまで突き刺さってたペニスが抜かれないように孔の口がきゅんと恋しそうに締め付ける。腰をくねらせて、和臣のことを追いかけて、それなのに。 「あ、なんでっ、やだ、もっと」 「こっち……」 「ぁっ」 　抱っこ、された。 「顔みながら、したい」 「ぁ……和臣」 　これ、すごい好きなんだ。この体勢、ぎゅって抱きつけて、抱き締めてもらえて深いとこくるから、好き。 「剣斗……」 　今から、続きって挨拶みたいに唇に触れるキスをくれて、瞼を自然と伏せた俺は、キスの感触ひとつでトロンとしてくる。すっげぇエロいことも、たまらなく可愛いことも、全部がさ、気持ちイイ。 「ぁ、待って」 「剣斗？」 「あ、あの、続き、すんなら、これ、なし、がいい」 　そういって、硬く張り詰めた和臣のペニスの竿のとこを指先で撫でた。痛そうにしかめっ面をする和臣のそれを覆ってるゴム、なしがいいんだ。 「剣斗、それは」 「中出しして」 　和臣は俺を大事にしてくれてる。お尻の中にそれ出しちゃうと腹が痛くなるからって、大事な時以外はあんましてくんねぇけど。今日は、その特別な日なんだ。俺にとって。 「去年、あの人が、元彼の伊緒さんが怖くて、俺、中出ししてって頼んだんだ」 「……」 「和臣のこと少しでも独り占めしたくて、焦って、そうおねだりしたんだけどさ」 　怖くて、胸が苦しくて、なんでもいいから和臣のことを欲しがったけど。 「今年は、そうじゃなくて。二回目の花火大会、だけど、一回目みたいな気持ちでさ」 「……」 「俺の作った浴衣着てる和臣カッコいいし。も、わかんねーけど、すげぇ好きすぎてさ。だから、欲しいんだ。これ」 　ガチガチに硬いペニス、そのままちょうだい。これ、ゴムなんてしないで、このまま、俺の中に入れてよ。 「和臣に、すごい、めちゃくちゃされたい」 「……」 「これで、俺のこと、たくさん愛して欲しい」 　なぁ、取って？　このゴム、いらねぇ。そう竿の部分で途切れたゴムの端を指でなぞる。俺の先走りとか、ローションとかでぬめるそれをなぞって、誘惑するように、直で触れられるとこを撫でて、ゴム越しじゃきっともどかしいだろう先端を指で包んで扱いた。 「ちょーらい、生の、和臣」 　おねだりの甘いキスをしながら、ねっとりと絡みつくように口で和臣の舌にしゃぶりついた。粘膜の気持ち良さを舌先から伝えて誘惑するように。 「エロすぎ、お前」 「あぁっン」 　抱っこされながら、今さっきまで突き刺さってた和臣の硬いのがまた来てくれる。 「やぁっ……ン」 　一番奥の、和臣しか知らないとこまで。 「好きだよ。剣斗」 「あっ、ン、やぁっ……これ、イくっ」 　ゴムをしてない、生の熱に溶けちゃいそうだ。 「あ、ンっ、ぁっ、和臣っ」 「エッロ……」 「ぁ、ホント？　俺」 「むしろ、色気しまえよ」 「あ、あぁっ、ン、そこ、好きっ」 　もっとして欲しくて、自分で股を大胆に開きながら、三回イってもまだ気持ちよくなりたいと欲しがりな身体をくねらせた。射精したのに、立ち上がってる自分のがくねる度に揺れて、甘い声が止まらなくて、そんで。 「あっ、ひゃああっン、ぁ、イくっ」 「っ」 　乳首齧られたら、もうダメだってば。もう、イっちゃう。 「和臣も、イく？」 「ぁぁ」 「俺の中に出してくれ、よ。いっぱい飲ませて」 「っ」 　腹の底んとこが、きゅんきゅんした。和臣のこと欲しがって痺れてる。ここに早くって。 「あ、あっ和臣っ」 「っ」 　抱きかかえられながら下から突き上げられて、ぎゅっと首に腕でしがみ付いた俺も深くまで招くように身体を揺らす。 「あ、イくって、和臣、またイくっ、ぁ、あっ、あ」 「剣斗」 「っしょ、がいいってば」 　和臣のが熱くて溶けちゃいそう。硬くて、ゴリゴリの俺の中で暴れてるのに、これで蕩けさせて。 「剣斗」 「ン、ぁっ」 「すげ、好きだ」 「んふっ……ン、んっ」 　深いキスも、深いセックスも、髪を掻き乱す指も、声も顔も、それにカッコいいとこも、カッコ悪いとこも全部、和臣の全部が大好きだよ。 「ン、んんんんんんんっ」 　中に注ぎ込まれながら、ぎゅっと抱きついて、ぎゅっと抱き締められて、そんで、俺もイってた。ドクドクと自分の中で脈打つ和臣のことを感じながらの射精はたまらなく気持ち良くて、たまらなく恋しくて、幸せだった。