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「ひねくれネコに恋の飴玉」 25 恋落ちる
綺麗じゃないよ。もちろん高嶺の花でもない。年上の余裕? そんなのこれっぽっちもなくて、駄々っ子になってしまいそうなのを一生懸命我慢して強がって、理性ある大人の男のフリをしてるんだ。
「なんで、柚葉の、触ったらダメ、なの?」
好きな人には会いたくて、会いたくて。それぞれの時間を楽しむ? はい? そんなの無理です。って、ダサい大人。
「あんたの奥まで、もたない」
「……」
生々しい人間で、たったひとつの恋に翻弄されまくりの、ただのカッコ悪い奴なんだ。
「……柚葉、来て」
「……」
「ここ、して?」
くぷりと君の指が侵入してきただけで、甘い声を上げてしまう。
「あっ……ン」
「やば……」
コタツの中で君の指に解されて、腰を浮かせてまで悦んでる。指二本に孔の口を広げられて、コタツマットをぎゅっと握って仰け反った。晒した首筋にキスをされたら、ちょっと汗とかやっぱり恥ずかしいけど、でも、気持ち良くてふわふわする。
「も、したい……柚葉の、挿れて」
「っだから」
触っただけでそんなしかめっ面するくらい我慢してるくせに、まだ? ねぇ、柚葉。
「早く、抱いてよ」
「京也さ、……っ」
「早く、欲しいよ」
横を向いてって言われて、素直に身体を捻った。
「あっ……」
指が抜けてすぐ、もっと熱くて太い柚葉のが来てくれた。
「あ、ぁっ……ン、柚、葉」
「っ」
「声、出ちゃう、から」
背中を捻って振り返ると、男の顔、してた。俺の中でこんなになりながら、そんな、苦しそうな顔をするんだね。
「京也っ」
「あっ」
ズルいよ。今、ここで名前呼ばないでよ。
「柚葉、声、ン、出ひゃっ……ン、ん、ンン」
ずちゅぐちゅ、コタツの中からやらしい音、やらしく揺れるコタツテーブル、それに後ろから抱き締めてくれる君の指にしゃぶりつく唇の濡れた音。
「ン、んっ」
蕩けちゃいそう。
「んんんっ」
気持ち良くて、お尻を突き出すように、後ろから深く刺さるペニスを締めて咥えた。自分から、咥え込んで、繰り返し奥に打ち付けられて、喘ぎは柚葉の指のせいで外に零れず、喉奥に快楽になって溜まってく。
「京也」
「ン、おくっ……きもち、ひゃぁっ……ン、や、らぁ」
「っ」
もっと奥に来てよ。太いカリのところで中擦られて感じてしまう。感じて、お尻をきゅっと締めて、自分からも腰を揺らした。
「ぁ、ひゃっ……ぁ、あっ……んんっ」
服は脱がず、ただ服の下に忍び込んだ指に乳首を摘まれる。爪で弾かれて、抓られると、指を咥えた口の中が唾液で濡れる。美味しいアイスでも頬張ってるみたいに、指にしゃぶりついて、乳首を――。
「エロすぎ」
「ん、らって、ゆず、は、の」
「っ」
気持ちイイんだもん、って言いたいけど、指フェラをしていた舌っ足らずの口調で恥ずかしかった。行儀の悪い舌を指で撫でられて、溜まっていた唾液が唇に端から零れる。柚葉の指もびしょ濡れで、これじゃ、喘ぎは防げても、舌の立てる音が響いちゃうよ。
「気持ち、いい、んっ……の」
「っ」
きゅぅぅん、って締め付けた。乳首を摘んでくれる手に手を重ねて、舌を指に絡めて。そして、中を行き来するペニスにしゃぶりつく。
「ン、んっ、ン……ン、ふっ」
舌の柔らかさを確かめる指が口の中を荒らす。
「ン、ぁ、それ、すきっ……ン」
コリコリした乳首をぎゅっと摘まれたくて、もっと手を使って押し付ける。
「ぁ、あっ」
ズンズンと奥めがけて突いて来る勢いが増した。中を抉られて、引き抜かれかけて、そして、
「ン、ンン、んんんんっ」
またズンって深く刺される。
「っ」
「ぁ、ン。も、っ」
激しくなるとコタツでさえ邪魔だった。激しさに横向きに寝ながらだったのが、貫かれる強さにずり上がって、気がつくと後ろから攻め立てられてた。
「あ、ン、……れ、らめっ」
汚れちゃう。そう訴えると腰を掴まれ、浮かされた隙間から柚葉の着ていた服を一枚差し込まれた。
「いいよ、そこに、出して」
そしたら、柚葉のを汚しちゃう。
「っ、ン、ん」
「京也」
「! ン、んん」
「っ……すげ」
ゾクゾクした。後ろから攻められることも、柚葉の服の中に吐き出すことも、狭いコタツの中で我慢できずにしてるセックスにすごく、感じて。
「ン、んん、んんんんっ」
寝そべっているところを激しく突き上げられながら、コタツマットにしがみつく柚葉の手が優しくて、絡まり合う指の優しさに――ふわりと飛ぶような、落ちるような。
「っ」
「…………んっ」
達した後、声を抑えなくてもよくなったからって、指が外される。充分すぎるほど濡れた唇と指を繋ぐ唾液の糸にも震えながら、中で脈打つ柚葉をきゅうんって締め付けた。
「……京也」
「っやぁ、ン」
どろどろにしちゃった。君の服にたくさんつけちゃった。それと、すごいとこでさ。
「……っ、京也さん」
「……すごいとこで、しちゃったね」
寝バックセックスを実家のコタツで致したなんてさ。
「すみません」
コタツに多分ぶつかっちゃったよね。そりゃそうだよ。いくらなんだって、コタツで男二人がセックスっていうのは狭いもん。
「柚葉」
「?」
「キス、ちょ、らい」
ほら、身を捩って背中を逸らして事後の幸せがつまった口づけを交わすと、狭いからぶつかっちゃうんだ。ね? コロコロ、コロコロ、蜜柑がテーブルから、楽しそうに転げ落ちてきた。
「ん……」
コロコロ、コロコロ、落っこちたんだ。
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