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猫も食わない飴玉編(ひねくれネコ番外編) 3 怖がりネコ
怖いんだってば。
だから、お泊りはダメって言ったの。家賃払ってるのは自分のお金じゃないでしょうがって言って、良識ある大人の意見を振りかざしまくったんだ。
おうちはそれぞれ違うとこ。寝る場所は別々。朝も別々。そうしないと――。
「あ、あぁっ……ぁ、ンッ」
怖くてたまらなかったから。
「あンっ……柚葉っ、ぁっ」
「っ、京也」
「や、あぁぁぁっン」
硬くて熱いので溶けちゃいそう。
「京也の声、甘くて、トロットロ。すげぇ」
「あ、あ、あっン……くっ、ふぁっ……」
甘いのは、柚葉のキスだ。トロットロなのはこのセックスとハート型をした、この気持ち。
「やぁぁっ……ン」
「っ」
だから、怖いよ。
このハートがカスカスパサパサ無味無臭水分ゼロになったら、って思うと、怖くなる。こんなハート型を手にしちゃったらさ、もう、放せないよ。
悲しくてどうにかなってしまう。もう、他でなんて埋め合わせられない。
「ふぁっ……ぁ、あ……ン」
柚葉のじゃなくちゃイヤって、身体がなっちゃってる。
「あ、あ、あ、中、ぁ、柚葉の」
中を太くて硬くて、熱いので擦られて、気持ち良すぎて身体が丸まる。ぎゅぅってしがみつこうとする。柚葉に。
「柚葉っ」
強く中を擦られて揺さぶられて、思わず、ぎゅって枕にしがみ付いた。柚葉の枕からは、柚葉に抱きしめられる時と同じ匂いがする。落ち着くけれど、落ち着かない匂い。ずっとこうしてたいけど、ずっとこうしてるとダメになっちゃいそで、こうしてたくなくなる匂い。
「ン、柚葉……あっ! やぁあぁっ、それ、ダメっ、イくっ、イくってばっ」
「俺の枕に抱き付きながら、ここ、きゅんきゅん締め付けるのとか、反則だろ」
「あ、やぁっ、イっ……ぁ」
「京也」
「! あ、あ、あ、あ、あぁぁあ、や、イクっ、ぁ、イっちゃうっ」
耳元で、そんな声で名前を呼ばないで。
そんな声で名前を呼びながら、中を可愛がらないで。
「あ、おかしくなっちゃうってば、ぁ、あっ、んんんんんんっ」
熱いので、ぐんって中を深く抉じ開けられた瞬間、身体がぎゅっと丸まった。枕にしがみ付いて、奥のとこをきゅんきゅんさせながら、中の気持ち良さだけでイって、柚葉のペニスにしゃぶりつく。
「ぁっ……ン」
「京也」
「あン」
柚葉の、まだ……。
「京也のそういうとこ、すげぇ好き。案外怖がりなくせに、強気で。けど」
「!」
「遠慮すんの、やめるわ」
「え? ……あっ!」
熱くて硬くて。
「ぁ、待っ、柚葉っ、ダメ、そこはっ、あ、ぁぁっ」
奥は、怖いからダメなのに。
「あっ……あっ、ぁ」
そんな奥はダメなの。
そんなとこまで入れてなんてあげない。誰も入れたことなんてない。こんな深いとこまで可愛がられたら、もう。
「あ、あ、あ、あっ、ダメ、奥、来ちゃ」
「京也」
「あ、やぁっン」
「枕じゃなくて俺にしがみつけよ」
「っ」
でも、そうやって抱き締めたハート型がいつか。
「ずっと、あんたのことしか好きにならないから」
どうしてそんなの言い切れるんだよ。わかんないじゃん。
「本当だよ。マジで、京也しか好きになんない」
理由は? ねぇ、その根拠は? 一年間とかさ、そういう話じゃなくて。もっとずっと。
「絶対に」
なにそれ。何、そのふわふわな感じの言い切り方。なんかないわけ。俺のこういうとこがこうだから、ずっとこの想いは変わらない、とか。そういうの、ないわけ。
「好きだよ」
根拠も理由もないくせに。もう、ホント、ヤダ。
「だから、そんな枕になんてしがみついてないで、俺のしがみつけって」
「っ、あっ」
「背中でもどこでも引っ掻いていいから。ずっと、俺にだけしがみついてて」
「あ、あぁぁっ、ぁ、柚葉っ」
なんで、柚葉には、こんな深いとこまで来て欲しいんだろ。
「んんっ、ぁっ」
「っ」
誰も来ちゃいけないとこまで、柚葉には来て欲しくなるんだろ。
「あ、あ、あ、っ、ン、ぁっ、柚葉っ」
「っ」
「あ、あぁっ、ン、もっと、奥っまでっ」
「京也……」
誰も、来たことないんだから。
「京也っ」
「あぁぁっ、ン」
柚葉だけ。
奥のとこ、誰もそんなとこ挿れさせてあげなかった。だって、こんなとこは入れちゃダメでしょ?
「好き……柚葉」
「っ、あんたはっ」
「あ、あぁぁっ! あ、ン、ぁ、はぁっ……」
根元まで、もっともっと全部、柚葉のちょうだいって、脚を開いて、しがみついた。首にぎゅって腕で抱きついて、深く抉じ開けられる度に背中に爪を立てて。
「柚葉っ」
「京也の中でイっていい?」
「ン、ダメっ」
明日痛くなっても知らないから。
「俺の中、以外で、イっちゃ、ダメっ」
笑ってるけど、知らないよ。
いつもの比じゃないからね。今日の爪痕は、猫がじゃれてするようなレベルじゃないんだから。
「京也、すげぇ、ホント、好き」
「ぁ、あ、んんんんんんっ」
ぎゅって、全部で抱きついてしがみついた。痛いくらいに爪を立てて。特別深いとこまで全部、柚葉にあげた。
それはもうすごい激しく、強く、もしも、これが枕だったらくしゃくしゃにちぎれちゃうかもしれないくらいに、柚葉にしがみついたまま一晩中、その腕の中で何度もイって、啼いていた。
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