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真夏のプール編 5 濃くて甘い独占欲

 きっと俺の方が「好き」がでかいって思う。  俺の片想いから始まったし。そもそもの和臣のタイプってさ、俺みたいなのじゃないって知ってるし。もっと綺麗でさ、もっと美人でさ、もっと色っぽい人。  むしろ逆なんだろうなって。  だから、毎回、ああいう時、ちょっとだけ緊張するんだ。  盗られるんじゃないかって。ちょっと。  大学でだって、バイト先でだってさ、男からも女からも人気で、顔良くて、頭良くて、なんでもそつなくこなせて。俺が大学まで追いかけたから捕まえられただけ。俺が好きだって必死で伝えたから届いただけ。  だからいつも、ちょっとだけ緊張する。 「あっ、和臣っ」 「うん」 「あ、あ、あ、そこっ」  俺の方が和臣のこと、好きだから。 「気持ちいい? 中、とろっとろ」 「あ、すげっ、いいっ」  和臣の腰に跨って腰を振ってる。首に腕回して、自分からもうすっかり覚えた前立腺のとこ擦りながら、甘ったるく鳴いてる。 「ラッシュガード買ったんだっけ?」 「あっ、ぁ……買、った、っ、ン」  でかい浮き輪、明日のプール用に買ったんだ。男二人が掴んだって大丈夫な特大サイズ。パイナップルを模した柄が輪の部分にあって、そこにあのパイナップルの葉っぱの形をした尾鰭みたいなビニール製の浮袋がくっついてる。  輪っかに頭通して寝転べば、その葉っぱの部分がちょうどよく背もたれみたいになって、のんびりできそうだったからいいかなって。浮袋がくっついてる分、膨らますの大変そうだけどさ。  それと水着も買った。  普通にそれ履いて街中歩いても違和感ないような水着。そのほうが着替えの手間がなくて楽かなって。帰りはもちろん濡れたそれのままバスも電車も乗ればいいから着替えるんだけどさ。  それから俺はラッシュガードも。 「な、んで」 「お前、そういうの適当に買いそう。試着した?」 「し、た、あぁっ」  腰をくねらせたら応えるように和臣がピンポイントで俺の良いところに先っぽを当ててくれる。たまんなくて、しがみつくと、首筋に歯を立てられた。 「サイズ、見たって」  早く帰りたかったんだ。デートすんのも楽しいし好きだけど。女に声かけられてる和臣見ちゃったから、早く帰ってきたかった。 「あ、あぁっ、乳首っ、すげ、気持ち、ぃ」 「勃ってる」  早く和臣のこと独り占めしたかった。 「あ、あ、だって、そこ、すげ、敏感にっ」  カプリと肌を噛まれて、口の中で、転がすように乳首を舌に突かれてたまらなく切なくなる。 「あぁっ」  片方を口で、もう片方を指で摘まれてると最高に良くて。 「っ、締まった」  和臣のでかいいのが突き刺さった奥がきゅぅって締め付けた。 「もっとここ可愛がられたい?」 「あ、ン」  自分から背中をしならせて和臣の舌先に乳首を押し付けるようにしながら、腰も揺らしてる。 「やらしい……」 「そ、だよ」  上から下へ腰使って、俺の中で和臣のガチガチになったのを扱く濡れた音が寝室のベッドの上でに響いた。  やらしいよ。  だって、デートの初っ端。  和臣がナンパしてきた女をフって俺のとこ来てくれた時から嬉しくて、大喜びでさ。早く和臣とセックスしたいって思ってた。 「剣斗」 「あ? な、に……」  必死になって腰振ってた。気持ち良くて、気持ちよくなってもらいたくて、夢中になって和臣と繋がった場所を。 「本当……」  小さくただそれだけ和臣が呟いて、もう一度今度はたっぷり濡らした乳首のすぐそばにキスをした。吸いつかれて、頭の芯が痺れるくらいに気持ちいい。快感に浸りきって緩んだままの唇にキスをもらえると嬉しくて、ガキみたいに首にしがみついて、身体を隙間なく密着させた。 「和臣……ぁ、もっと、っ!」  うわ言みたいにそう呟いたら、腰、掴まれて、和臣の指が食い込んだことにも感じて。そのまま、ぐらりと視界が傾いた。 「夢中で腰振って」 「! そりゃ、だって」  気持ちいいんだから夢中になるだろ。好きなんだから、夢中になるだろ。  顔が熱くて、喉奥も熱くて、自分の口元を手の甲で抑えたら、和臣が唇の端だけ上げて、悪戯っぽく笑った。それからその手を外されて。 「声、ちゃんとあげて」  和臣が背中を丸めた。 「はっあぁっ……っ」  また乳首を甘噛みされながら、今度は和臣が動き出す。 「あっはぁっ、あ、あ」  浅く、ゆっくり深く、もう一回ギリギリまで引き抜かれて、浅いとこばっかを何度も小刻みに擦られながら、乳首も噛まれて、たまんなくて。 「あ、あ、もっ、和臣っ」  中が和臣の熱いので好き勝手されたくてたまらない。もっと奥まで来て欲しくておかしくなりそう。 「……剣斗」 「っ、っ」  和臣の声が甘くて、腰が焦れる。 「あ、あ、あ、あ」 「気持ちいい?」 「あ、すげっ、いいっ、あ、中が、いいっ、中に出して欲し、いっ」  そうねだって自分から腰を振りたくった。背中を反らせて、和臣に腰んとこしっかり持たれて、繋がった場所丸見えにしながら。 「中にっ」 「ダーメ」 「っ、あ、あぁぁあっ」  腰が浮き上がるくらいに背中を反らせたら、奥深くを何度か強く突き上げられた。  張り詰めて、先走りが溢れて濡れた俺のが、和臣の硬いので奥を突き上げられる度に自分の腹を引っ叩くように揺れて。 「明日はプールなんだから」 「あ、あ、あ、あ、イクっ、和臣っ」 「腹壊したら大変だろ?」 「あっ、あっっっっっ」  一番奥に届いた瞬間、俺はイッて。 「っ」  奥が気持ち良くなった瞬間、今度は勢いよく引き抜かれる快感にも攻め立てられて、ビュクって、弾けた俺のに。 「っ、剣斗」 「ぁ……すげ……」  ぶっかけるみたいに、和臣の白がかかった。 「っ」  すげぇ、ドロドロ。 「やらしい、剣斗」 「っ、ン……だって」  息乱して、肩で呼吸しながら、汗だくになったしかめっ面の和臣。 「っ、明日寝坊しないようにしないとだぞ」 「ん」  今日声をかけてきた女は見ることにできない和臣を独り占めできたって、嬉しくなって、ようやく、デートの時に焦げつきそうだった独占欲が鎮まった気がした。

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