27 / 155

第27話

触れ合いは一瞬だった。風早の暖かい唇に俺の唇が当たっただけでパニックになってしまい、すぐにぱっと顔を離したからだ。 唇を窄めていた風早はそこから急にしかめっ面になる。すぐに離したのが気に入らなかったらしい。 世の中の男女はこんなに恥ずかしいことを毎晩しているのか。俺の両親も家の中でキスしてたりするのを何回か見かけたことがあるが、自分がする立場になってみて恥ずかしさがわかった。 風早にキスをされるのは別にいいのだ。あれは自分の意じゃない、というか無理やりみたいな所があるからだ。自分からするのとはわけが違う。 「短い・・・」 不満を零した風早がぷいと俺から目を逸らした。まだ俺の中に入ったままの指も力を失い、動かない。 「これでも・・・頑張った方だぞ・・・」 今まで自分からキスなんてしたことないんだからな、と謎な自慢をしながらしかめっ面の風早に言い放つ。 「へぇ、じゃぁ俺が初めてかぁ」 あ、機嫌が戻った。 眉の皺が減って、代わりに目が三日月のようにすっと細くなる。 こちらをまた向いた風早の顔はもうしかめっ面ではなかった。単純な奴め。 「今俺のこと単純な奴だって思ったでしょ。誰だって好きな子の初めてが貰えたら嬉しいものだよ?」 何食わぬ顔で、好きな子と言われるととてつもなく恥ずかしい。俺だったら絶対言えない。もし百万円くれるって言われても言えない。 「へ、へぇ・・・」 「で、幸。俺もうきついんだけど、あれしていい?」 ゆっくりと俺の尻から指を引き抜いた風早が自身の股間を指さして言った。なるべく見ないようにしていたのに、見てしまった。やっぱりデカい・・・。 「んっ、・・・あれってなんだよ」 「これ・・・」 風早がそう言うと、太ももの間に何かぬめっとした熱い硬いものが入ってきた。 「か・・ぜ・・は、やぁ・・・?」 よく見ると、俺の太ももの間にはやのアレが挟まっている。 これはあれじゃないか、あれ・・・。 「素股だよ、素股」

ともだちにシェアしよう!