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第28話

挿れない代わりにね?とウィンクを決める風早に、俺は目をまん丸にさせた。 「ぁっ、んぅん・・・す、また・・・?」 ずっ、と風早の腰が動いて俺は息を荒げた。 あ、擦れて、気持ちいい。 さっきイッたのにもう硬くなって、先がベタベタになっているそれに風早の左手が添えられる。風早の右手は幸の乳首に当たっていた。 「やだっ、両方やだっ・・・」 ぶんぶんと首を振っても風早はにぃっと笑うだけでやめてはくれない。こういう時の風早は意地悪だ。 「両方弄られるの好きでしょ?ほら、もっと太ももに力入れて」 言われた通りに太ももに力を入れると、風早が良い子と言って俺の頬を撫でた。 これじゃぁ、飴と鞭だ。完璧に、俺は風早のペースに飲み込まれてしまっている。 「も、だめ・・・出るからぁっ、あぁっ」 力なくそう言った俺はまたすぐに達してしまった。だが、風早が動きを止める気配はない。 「で、たから・・・っ、あっ、やめ」 がくがくと揺さぶられて、風早を止めようと手を伸ばすが届かない。あ、あ、と断続的に声が出続けて、自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。 「俺まだイッてないもん」 そう風早はぶぅと拗ねたような表情をして言う。 でも俺はイッたばかりだ。なのに、ずっと両方を弄られて腰がビクビクと跳ねる。太ももを締める力も意識せずに強くなっていたらしく、耳元で風早が気持ちいと呟いたのが聞こえてくる。 どきっとした。 「んぁっ、だめっ・・・ぁっな、んか出ちゃぁっ・・・ああっはやぁっあああっ」 しょわわわわ、と潮を吹いた俺はそのままくてん、と力が抜けて、ベッドに深く埋もれた。鼻を掠めるシーツの匂いは、あの風早がよくつけている柑橘系の香水の匂いがする。 「おー、潮吹いた・・・大丈夫?」 体中がベタベタする。あとなんか凄く疲れた。まるで全力疾走したかのように、はぁはぁと息を荒げる俺の髪をそっと風早が撫でる。 「ぅん、・・・」 ほぼ意識が飛んでいるようで、曖昧に返事をした俺は虚ろな目でふにゃりと笑った。 これは貴重な笑顔だ、と風早が驚いて携帯で写真をパシャりと撮る。 俺がこれを見つけて風早を叱りつけるのはまた今度のお話。 「・・・って結局俺、イッてないし」

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