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第41話

「・・・なるほど、じゃぁ幸は自分の気持ちに気付いたんだな」 俺の話を聞いてくれた鹿山先輩が頷きながらそう言った。 「よかったね、それだけでも大きな進歩だよ」 隣に座っていた横井先生がそう言って俺の頭を撫でてくれた。大きな手だ、風早に少し似ている。 「あいつもきっと幸が来ることを待ってるよ、本気で好きな子には臆病だから」 鹿山先輩の言葉に俺が首を傾げると、鹿山先輩は少し意地悪な笑みを浮かべて言う。 「ほら、風早の顔ってまあまあイケメンだろ?だから女が寄って来んの。でもあいつから好きになったことがないから、どうしたらいいかわかんねぇんだよ」 いいよなー、俺もそんな悩み欲しいわーと零しながら言う鹿山先輩を横井先生が恨めしそうに見つめる。 本当に仲が良いんだな・・・。 「あの、鹿山先輩と横井先生っていつから付き合ってるんですか・・・?」 俺の質問に、鹿山先輩と横井先生が目を合わせる。 「・・・いつだっけか、多分一年の終わりくらいじゃね?」 「だったかなぁ・・・。あの時は大変だったしね」 「っていうか全部翔太のせいだろ!!」 「まだ根に持ってるの?何回も謝ったのに・・・」 二人で小突き合いながら、笑い合う。 そんな関係がとても羨ましかった。 「・・・俺も、風早とそんな風になれますか・・・?」 「なれるなれる、そこは俺が保証してあげるよ」 鹿山先輩が朗らかに笑った。大丈夫、と立てられた親指に力がこもっているのがわかる。 「だから、俺らで作戦考えねぇか?」 そこで鹿山先輩が言い出したのは、とんでもない作戦だった。 「名付けて、風早のハートを鷲掴み作戦だ!!幸、お前は尻をいじれ!!」 「え、えー!?!?!?」

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