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第54話

「ぅ、ぁ、っ・・・んん」 初めての時に感じていた違和感は少し減った。風早の指が動くだけであの晩の感覚が徐々に思い出される。 「ほんとだ、ちょっと柔らかいね。痛い?」 「い、いた、くはない・・・」 漏れる声を風早の肩に顔を押し付けてどうにか抑える。風早はそんな俺の様子を少し楽しそうに見つめていた。 さっきまで鼻血出してたのに・・・。 「よかった、今日は本気でやめられる気がしないから・・・」 「・・・やめないで、欲しいからっぁ、ちょっん・・・」 風早の長いゴツゴツとした指がある箇所を掠める。その瞬間、電撃が走ったような快感に襲われて俺は思わず背筋をびくりと揺らした。 「ぁああっ」 一際大きな声が出てしまい、俺は必死に口に手を当てて耐える。 「ここね、幸の好きなところ」 風早が耳元でにぃっと笑った気がした。嫌な予感がして、風早の太ももから降りようとするが止められる。 「逃げないでよ、やっと俺たちの気持ちが通ったのに・・・。心だけじゃなくて体も繋げよ?」 風早はそう言って、先ほどの場所を丹念に押してくる。その度に俺は腰をびくりと動かして、情けない声を出し続けた。 「ゃ、ほんとに、だめ、も・・・無理・・・」 断続的に与えられる強すぎる快感に、俺は抵抗する力を削がれて風早の体にもたれる。 「無理じゃないんだよ、これが」 ガシガシと俺の頭を撫でた風早が次は乳首への愛撫を始める。ただでさえ強かった快感が、倍増して俺はまた大きな声を上げた。 「ひゃ、ぁぁぁああっ」 「うんうん、気持ちいいね。でも声抑えられる?流石に聞こえそう・・・」 「・・・だったら、ぁ、も、吸うなって・・・」 「やだ。俺足りてないから、幸の乳首」 真面目な顔でそんなことを言うものだから、一瞬俺が間違っているのかと感じる。 「俺の乳首は足りてる!ちゃんと、二つあるから・・・」 「違う幸、そうじゃない。でも俺の言って欲しい言葉をことごとく外してくる幸が宇宙一好き〜」 「どういう意味だっこのやろうっ」

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