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第55話

「そろそろ平気?」 ぐに、と指を回して動かした風早が言う。はあはあと息を荒げる俺は、返事の代わりに小さくうなずいた。 風早がそっと俺を仰向けに寝かした。頭を打っているから動かないでとあれだけ言ったのに、風早は聞いてくれず、起き上がって俺に覆いかぶさる。 反撃の代わりに腰をつねってやったけど、風早はふっと笑うだけで何も言わなかった。 「頭・・・打ったのに」 「平気、それよりこれどうにかしないと俺死んじゃう・・・」 張り詰めた風早のそれを、グリグリと太ももに押し付けられて思わずぎゃっと声を上げる。 「変態みたい・・・」 「幸の前だと俺変態おじさんになっちゃうよ」 「認めるのか・・・」 「うん、幸も案外変態だけどね」 「・・・それは違う」 む、と顔をしかめた俺に風早がまた笑った。笑いながら、俺の頬に軽いキスを落としてくる。 「幸、いい?」 至近距離まで近づいた風早はそう言った。無言のまま俺は風早の鼻先にキスをする。 「・・・もだめ、いれる・・・」 慌てたように風早はそう言って、俺の内腿を持って足を開く。思わぬ格好に思わず抗議するが、風早は余計に俺の足を開かせた。 「ちょっ、恥ずかし・・・」 「恥ずかしくない、ここもここも全部好きだよ幸」 指でちょんと突かれて、俺はまた恥ずかしい声をあげた。 深呼吸を少ししたら風早が息を整えて、俺を見つめる。 「息、吐いててね」 風早が小さくそう言うと、お尻にそれをあてがわれる。 挿れられるんだ、そう思った時にはもう先っちょが入っていた。 「ぁっ・・・、やだ、あっ」 風早がゆっくりゆっくり腰を押し進める。俺が逃げないように腰を掴んだ風早はくっと歯を食いしばりながら息を吐いた。 「やばい、幸・・・気持ちいい・・・」 「よっ、よかった・・・ぁ、なっ・・・」 俺はどうしようもない圧迫感を逃すかのように、風早の腕をぎゅうっと掴んだ。額に滲む汗を風早がペロリと舐める。 「幸、痛い?」 「わ、かんないっ、おっきい・・・」 「やばいほんとに可愛い。ごめんね幸、辛いよね。こっちも弄ってあげるから・・・」 風早が切羽詰まった顔をして、俺の乳首にちゅうと吸い付いた。突然の快感に俺は背中を仰け反らす。 「ひゃ、ぁぁああっ、や、だめ、あっ」 刹那、さっきまで散々弄られていたあの箇所を風早のそれが掠めた。もう俺は大きすぎる快感についていけなくてぽろぽろと涙をこぼす。 「ぁぁぁ・・・あっ、ぁああ、ああっああああっ」 断続的に言葉にならない声を漏らしながらピクピクと動く俺の頭を風早がそっと撫でた。 「きもちい?・・・大丈夫??とりあえず、奥まで入ったけど・・・」 風早の問いに俺はふるふると頭を横に振る。 こんなの大丈夫なわけがない。こんなに気持ちいいなんて、ありえない。 「そっか、幸は気持ちよくないのかぁ、残念だなぁ・・・」 風早が少し意地悪に笑って、腰をずんずんと動かした。その度に前立腺に当たって、俺はまた涙をぽろぽろとこぼす。 「ゃ、そこやだ、もだめ・・・ぁっ、ねぇってばぁ・・・」 「やだ、じゃなくて気持ちいいでしょ?ほら、」 「んん、も、気持ちいいから・・・やめっ、やめてっ」 「あーーー、素直すぎる幸が可愛い。ほんとキュート俺キュン死にしちゃう」 「もっ、変なこと言うなぁっ」 左側の乳首の周囲を丹念に舐められて、もどかしさでもぞりと動くと風早がふっと笑って希望に答えるようにコリコリと中心を舐めてくれた。 「ぁ、そこだめ、だめ、も、だめ・・・」 イきそう?と問われ俺はコクコクとうなずいた。風早は、俺も限界と苦笑しながら言ってまた腰をふる。 「だめ、でちゃう・・・ぁ、でちゃ、っっ」 「俺も、もイきそう・・・っ」 風早の背中を抱いて、震えながら達すると風早もそれを追うように少し遅れて小さく呻いた。互いに息を大きく吸いながら、息を整える。 風早がそっと俺を抱き返してくれた。 「・・・幸ありがとう」

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