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第70話

徐に立ち上がった風早が何やら部屋の隅にある棚から何かを取り出した。 何だあれ、指輪?リング?にしては、大きいな・・・。 「はい、これつけてみて?」 渡されたそれをどこにつけるのかわからなくて、首を傾げる。 なんとなく、指にはめてみるがやっぱり指にはめるにしては大きすぎる。 「違うよ、幸。こーう」 ずるん、とズボンを脱がされた。ホテルに来たのだからそういうことをしに来たのはわかってはいたが、突然すぎて固まった。 「えっ、おいっ、なぁっ・・・」 せめてもの抵抗と、必死に風早の手を握って阻止を試みるが、失敗。 「はいはーい、静かにー」 まるで、生徒を宥める先生のように風早が言う。余裕な様子の風早に、少し俺はむすっと顔をしかめる。 「なんだよ・・・」 「はーい、はめますよー」 俺のそれに、はやがリングをすっぽりとはめた。 「お、お前っどこに付けて・・・」 焦ってリングを取ろうと手を伸ばしても、風早に掴まれてできない。そして風早は悪魔みたいなことを人差し指を立てながら言った。 「これね、射精出来なくなるリングだから。覚悟しててね?」 語尾にハートが付くような、そんな甘い声で言われ腰がずんっと疼く。 風早の声は毒みたいだ。 「できない、って・・・はぁ!?」 風早が俺のそれをそっと握り込み、ゆっくりと上下に抜く。少し勃ってくると根元がリングで締め付けられて窮屈なのを感じた。 「んっ・・・」 「きもちい?」 「んな、わけないだろ・・・」 苦しいだけだ、とつぶやいても風早は笑うだけで外してくれようとはしてくれない。それどころか、風早のもう片方の手が俺の乳首をいじってくる。 「あっ、ちょっとっ」 きゅ、と服の上から摘まれて先走りが滲み出る。すぐに立派に勃ち上がったそれはさっきよりも苦しい。勃ってしまうとリングが押さえつけられて簡単に取れなくなる。 俺は手を伸ばすのをやめて風早を睨んだ。 「かーわいい、幸」 悪いことを考えている顔だ。 「じゃぁ、もっと気持ちよくしてあげるから」 俺、幸とおもちゃで遊んでみたかったんだよね、なんて聞こえたなんて俺は聞かないふりだ。

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