98 / 155

第98話

すっかり開いてしまったそこに先端があてがわれる。いつもいつの間にかゴムを装着している風早。俺は彼が装着しているところを見たことがない。もしかしたら見たことあるのかもしれないけれど、きっと見ていても気づかないくらい早業なのだろう。俺は女の子とも経験がないから付けたことはないので勝手がわからないが、以前クラスの友人が下生えに絡まって痛いと嘆いていたのを聞いたことがある。 そんなことをぼーっと考えていたらゆっくりと風早のそれが侵入してきた。亀頭が入り切ったところで一度動きを止めて風早が一息をついた。まだ数える程しかしていないのに、俺のそこは風早の形に馴染んできてしまっている。ずくり、と奥が疼いて俺は息を呑んだ。 「気持ちい?」 「んっ・・・はぁ、た、ぶん・・・?」 「多分って何なの・・・」 汗で張り付いた前髪をかきあげられて、少し涼しくなる。大きく息を吐くと、中が緩くなった気がした。それを逃さぬと風早がより奥へと進んでくる。 「あっ、ちょっと・・・おいっ」 突然の刺激に思わず力んでしまうと、風早が小さく呻いた。それが何だかとても嬉しくて、力んだりを繰り返しているとこら、と額を小突かれる。 「余裕そうだね、幸は」 屈んだ風早がそのまま俺に口付けをする。と同時に、そろそろと伸びてきた手が俺の乳首を刺激する。 「ひっ、いやっ、触んなっばかっ」 「ここ弄るとすっごく締まるね、気持ちいよ」 こりこりと指先で揉まれて、快感が腰が浮いてしまう。腸壁をごりっと抉られた気がして、また俺は声をあげた。 「あぁっ、ぁっ、やだ、やだ、もぉやだぁ・・・っ」 ピクピクと体が勝手に動くが、まだイってはいないみたいだ。腕を引っ張られて、気づけば風早の膝に座らされる。膝立ちしているのも辛くて、風早の胸板に寄り掛かるとより深く挿入されてまた俺は声をあげる。 「ほら、自分の好きなように動いてみて、幸」 「あっ、そんなん無理っ、や、やめっ」 風早が促すように俺の腰を少し揺する。こりこりと乳首を弄る手は止めてくれないし、俺のちんこからは汁がだらだら流れているし、時々風早のお腹に俺のちんこが擦れるのも気持ちがいい。 段々理性が飛んでいくのを感じながら、俺は膝立ちができなくなるのを感じる。ずりずりと膝が滑っていって、最終的にはぺたんと風早の膝に座り込んでしまった。 「ひぁぁっ、ああっ・・・」 ぽたたた、と力なく飛んだ精液が風早のお腹にかかる。はぁはぁと息を荒くさせると、風早は俺の頭をよしよしと撫でてくれた。 「奥当たってるね、可愛いよ幸」 俺の膝を少し持ち上げると、風早のそれがいつもより奥に入る感覚がした。あっあっあっと続く俺の声に風早は苦しい?と聞いてきたが別に苦しい訳じゃない。未知な世界に来ているのでわからないが、苦しい訳ではないのだ。なんだか何もわからなくなってぐずぐずになってるのは気持ちいし、こうやって肌と肌でくっついているのも気持ちがいい。今していることのすべてが気持ちいって感じるくらい俺の体は敏感になっていて、その変化を風早も少し感じているようだった。 「もうちょっと、入るかも・・・大丈夫そう?」 風早の声がぼわんぼわんと頭に響いてきて、なんだか理解できない。言葉としてじゃなくて、もう音として聞いているみたいで何を言っているかわからなかったけれど、俺はとりあえず、うんうんうんと頷く。 ぐぽん、と風早の亀頭が結腸を抜けた。腸壁の奥にはまりこんだ風早のちんこが圧倒的な質量を誇っている。 「は、いった・・・?」 震える声でそう問うと、風早が苦しそうに「は、いった、かも・・・」とつぶやいた。 少し動こうとしたするだけで、最奥をぐりぐりと抉られて俺は待って、と叫ぶ。尋常じゃない俺の様子に風早は止まってくれたけれど、勝手にぎゅんと腸壁が風早を感じてしまう。 だめかもしれない、ここは本当に、だめなところだ。

ともだちにシェアしよう!