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第8話
「じゃぁさっきの続きからいくぞー。小日向は誰かの教科書を見せてもらいなさい」
先生の言葉に、俺の隣に座っていた上島凛がはいっ!と声をあげた。
「私が見せてあげる!!小日向くん!」
おいでと手招きをする上島に小日向は肩をすくめて言う。
「んー、大丈夫。幸に見せてもらうから」
気持ちだけでもありがたいよ、とイケメンなセリフを言ってのけた小日向は勝手に俺の隣に椅子を持ってくる。
っていうか俺のこと幸って呼んでるし・・・。さっちゃんよりかはマシだけど。
「えー、小日向くん隣に来てほしかったのに」
口をぷーと膨らませる上島にごめんね、と謝る小日向。それだけで頬を真っ赤に染める上島・・・。
「上島に借りればいいものを・・・」
中々可愛らしい子なのだ。クラスでも人気な子で、告白をされているところを一度見たことがある。
「えー、だって幸ちょっと嫌そうな顔してたし」
なんてことのないように小日向は言ったが、俺は思わず声をあげた。
「はぁっ!?てめぇ何言ってんだっ!!!」
その瞬間、クラス全員の目線が俺に刺さる。しまった、声がでかすぎた。
「あ、いや、なんでもなくて・・・」
横で笑いを堪えている小日向を後で絞めてやる。俺は心の中でそう決めて、教科書を開いた。
「それじゃぁ見えないなぁ」
そう言って教科書を見ようと近づいてくる小日向を俺は押し返した。
「なんだよ、文句があるなら自分の席に戻れよ」
不機嫌気味にそう返すと、小日向は頬を膨らませる。そんな表情でもかっこいいのがむかつく。
「それはやだ、幸にくっつきたい~」
小さい声ではあったが、誰かに聞かれるとたまったものではない。もしかしたら楓には聞こえているかもしれない。俺は後で楓から食らうだろう質問攻めを覚悟した。
それから十分は何も起こらなかった。小日向は意外と先生の話を聞いていたし、なんだかんだ言って勉強はする人なのか、と感心した時だった。
小日向の手がすぅーっと伸びてきて、何をするのかと思いきや鎖骨をなぞり、乳首にベスト越しに触れ始めた。
「っ!?な、なにすんだっ!!」
俺はなんとか声が出ないように耐えるが、ぎゅっと目を瞑っても快感は逃げてはくれない。
「授業中なのにそんなに感じちゃうんだ。ベスト越しでも気持ちいい?」
ぞくぞくするような、さっきとは違う色気の含まれた声。耳元でささやかれるとたまらない。
「ち、ちがっ・・・、やめっ。お、前が変な事するからだろっ」
教科書を持っていられなくて、プルプルと震えていると代わりに小日向が持ってくれる。
自由になった手で小日向に抵抗するが、さっきのトイレの時のようにやはりびくともしない。
「変な事、ね。俺が何をしているのか言ってみ?」
言ったらやめてあげようと、小日向は意地悪な笑みを浮かべて言う。余裕もない俺は小日向の言う通りにするしか出来なかった。
「ち、くび・・・ぐりぐりしないでぇっ・・・」
「やっぱりさっちゃん俺の好みドストライクなんだけど」
ぐりっと一際強く乳首を抓られて、俺はぶるっと体を震わせた。
「んぁっぁっ」
ズボンの中が気持ち悪い。なんてことしてくれたんだ、と小日向を睨みつける。
「乳首だけでイケちゃうんだ、可愛かった」
そんな感想を残して、小日向はまた前を向き直す。みまだに息の乱れが収まらない俺は、落ち着かせる為に深呼吸した。
なんだよ、いじってイッたら終わりかよっ!!!!!
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