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それはまるで夢のような 4

 適当にサービスエリアに入って、マサキは車を停めた。 「食ってこい。待ってる」  ええええええー? そうなの? や、ま、そりゃね、一緒にいるとこ誰かに見られたらマズイだろう、マズイだろうけども!  俺は一人車から降りて、売店でおにぎりとかサンドイッチとかコーヒーとかおやつとかしこたま買って、すぐ車に戻った。 一人で、待たれながらなんて、食えるかよ。  マサキは車の外でタバコ吸ってた。ちょっと伸びをしたりして。 夜とはいえ、暑い。蒸し暑い。 マサキも汗ばんでる。車戻ればいいのに。  いっつも部屋の中でしか見ないからあれだけど、こうして外で見ると、やっぱりでかいな。 アラフォーのくたびれ感は否定できないけど、それがまたいい感じの枯れ感といいますか…。  俺に気づいたマサキが、ハァ?という顔をしてる。食ってこいって言っただろ、って、顔に書いてある。 どうせなら、二人で食おうよ。 外で無理なら、車ん中ででも。 「待たれてるって思ったら食ってらんねーだろ」  つっけんどんに車に乗り込んだ俺。 ガサガサとビニール袋から、ブラックの缶コーヒーと、一口大にカットされたサンドイッチ、それに強めのミントのガムを取り出して、開封して、助手席と運転席の間に置いた。 マサキが乗ってきた頃には俺は何食わぬ顔でおにぎりをぱくついていた。 「頭悪いくせに気は利くんだな」 ニヤニヤ笑ってやがる。 一言多いっつーの! 素直にありがとうって言え! …素直じゃないのは、人のこと言えないか。  サンドイッチはあっという間に空になった。腹減ってたんじゃねーかよ。 しばらくしたら、満腹と単調な道の運転で、少し眠そうになってきた。あくびをかみ締めるような顔を何度かしてる。 「な、ちょっと、どっかで休憩してけば」  心配になってたまらず声をかけた。 「いいのか、ご休憩」  チラとこっちを見て、不気味に口の片端を上げた。 いいのかも何も、居眠り運転なんかしてこんな組み合わせで心中するわけにもいくまい。 「当たり前だろ、けっこうなんかキツそうだし、早めに休んだ方がいいって」 「ん、じゃ次見つけたら」  ん?見つけたらって何? コンビニとかパーキングエリアのことかな。

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