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それはまるで夢のような 11

 そのうちマサキの指が、お掃除以外の意思を持っている動きになってきて…俺の息も荒くなる。 「ん、また?」 「決められねえってことは、どっちも捨てがたくて選べないってことだろ」  あっ、見破られてたんだ。 あっさり負けを認めて、俺はコクンと頷いた。 「…このまま挿れるぞ」  今度は後ろから。 俺が嫌いなカッコだ。 こんな時まで、顔も気持ちも見えないから。前にも言ったことあるんだけどな。 でもさっきは俺が好きなのでやったし、この流れじゃ、しょうがないか… 「ミヤビ、前」  項垂れてされるがままの俺に、マサキが短く声をかけた。  前? 顔を上げて前を見ると…  か・が・み!  いやあ、それは、いくらなんでも、恥ずかしい! 結合してる最中を、客観的に見るのは! 恥ずかしい! いくら顔が見えるっつってもーー 「い、やだ」  顔をまた下に向けると、マサキの手が伸びてきて顎を持ち上げ、無理やり前を向かされた。 「ちゃんと見ろよ、最中お前がどんな顔してるか」  自分の貧弱な体やキモいアヘ顔を見るのはキツイものがあるんだけど… いや、違うよ、自分の顔が見たいんじゃないよ? 慌てて否定しようとしたら、上半身がのしかかってきた。  ちょうど、俺の顔の横にマサキの顔がある。 マサキが俺のこと耳たぶを噛んだり、首やら肩やらに舌を這わせてるのを、だんだんじっと見入るようになってた。  マサキ、カッコいい。 俺、マサキにこんなにされてるんだ。 ああもう、好き…  ぺちぺち んぁ?また? 今度は何? んもう、もうちょい寝かせてよ… 「ミヤビ」 「わぁ!」  地獄の底から響く重低音を耳元で聞かされて、俺は跳ね起きた。 …あれ?朝? 「いつまで寝てんだ、もう出るからな。用意しろ」  マサキはもう服を着て、髪も整ってる。 俺は… どうしたんだっけ? ホテル備え付けのミニ浴衣みたいな寝巻き着てるけど…

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