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6-3
「由紀生って、呼ばせろ」
どきっっっっっ
息子からの耳慣れない呼号に由紀生は赤面してしまった。
「……んっ?」
唇をなぞっていた親指が口内にはいってきた。
次は舌上をぬるぬるとなぞられた。
「ん……ぅん……ん」
「だから……オヤジは数也って呼べ」
「んっ?」
「クン、つけんな」
名前で呼び合うなんて。
それって、なんだか、まるで。
恋人同士みたい。
「な、由紀生……?」
数也はカウンターに両手を突き、逃げ場を塞ぐようにして由紀生を両腕の中に閉じ込めた。
至近距離で見つめられて、名前を呼ばれただけで、由紀生の体は甘い甘い震えに支配された。
「マジ、めちゃくちゃにしてぇ……」
そんな言葉を低い声音で呟かれた際には涙が出そうなくらい体中が火照った。
「や、だ……カズ君……そんなこと言われたら、お父さん、」
「君、じゃねぇって」
「ゃっ……!」
耳たぶを噛まれた。
歯列が緩々と柔らかな肉片に食い込み、そっと、咀嚼される。
由紀生の耳を味わいながら数也は……由紀生の尻を撫で始めた。
五指を広げて、じっくり、強弱をつけ、揉み捏ねる。
衣擦れの音を頻りに立て、尻たぶの狭間に中指を添わせると上下に動かして……アナルを刺激する。
「ゃっゃぁ……っかず、や……ッ」
「ッッ……!」
滅多に父親から呼び捨てにされたことがない数也は新鮮なその呼び声に思いっきり滾ってしまう。
もっと名前を呼ばせたくなる。
呼ばせるために、もっと、過激になる……。
「あんっ……らめっ……いきなりそんな、激しいの……っ数也ぁ、ッあん……っ」
跪いた数也に濃厚フェラチオされて、立ちっぱなしの由紀生はカウンターに後ろ手に両手を突かせてがくがく痙攣した。
あっという間に隆起したペニスに不埒な舌先が絡みつき、丹念な裏筋舐め、執拗なカリ舐め、卑猥に尿道舐め。
隈なくびっしょり唾液だらけにすると大胆に頬張って、睾丸までころころ揉みしだき、数也はしどけなく乱れた由紀粋の股間を快楽漬けにした。
「ひ、ぃん……っ数也の、口のなかで……あん……とけ、ちゃ、ぅ……ッ」
仕舞には頭を前後に激しく動かして口内刺激を容赦なく強めてきた。
「数也、だめっ……で、ちゃ、う……! あっ、しごいちゃだめぇ……ッほんとでちゃう……ッ!!」
びりびりびりびり快楽刺激に背筋を痙攣させて仰け反った由紀生は射精した。
数也は生ぬるい父親の白濁汁を舌で受け止めた。
今にも崩れ落ちてしまいそうな由紀生の、最後の一滴まで受け止めると。
「んむむ」
噛みつくみたいに口づけて舌伝いに由紀生自身の精液をその口内に流し込んだ。
「んぶ……ッ……んっ……んっ……んぷ……ぅ……ッ」
口角から、唾液と、唾液よりも濃い白濁した体液が下あごへとろりと滴り落ちていく。
ぬちゃぬちゃ、ぬちゅぬちゅ、繋げた唇の狭間で濃厚汁が捏ねられて互いの口内を行ったり来たり。
さっきのキスよりもねっとりぬるぬる、淫らに乱れる口元。
「……やらし、由紀生」
「か、ず……や……ぁ」
「自分のザー汁でこんな汚して……いったばっかのちんぽ、ぴくぴくさせて」
「ああ……ん……」
「由紀生がすげぇやらしーから、俺、もうこんな」
「あ」
手首を掴まれて導かれた先には服越しに滾りきった数也の。
いったばかりで蕩けていた眼差しをさらにとろんとさせて、自分自身の精液で濡れた唇をひくりと震わせ、由紀生は数也を見つめた。
「欲しいか」
息子の問いかけに父親はコクンと頷いた。
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