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パラレル番外編-3

まるで憑き物が落ちたかのように由紀生からスゥッと数也に対する恐怖心が取り除かれた。 乱暴されたのは由紀生、悪いのは数也、それは明白だ。 それなのに彼の頬を引っ掻いた自分が悪いような気さえしてくる。 傍目にはただ無表情の数也が、心細い気持ちでいると、そう気が付いた由紀生は。 「ごめんなさい」 謝る必要もないのにそう侘びると手負いの動物みたいに項垂れていた数也のそばへ。 「……あ……」 頬に血を滲ませた数也は、歩道橋の時と同じように心配そうに自分を見つめる由紀生を抱き寄せた。 「俺こそごめんな、由紀生」 これまでに経験のない熱烈な抱擁に由紀生は赤面した。 頼もしい温もりにすっぽり抱かれて、身じろぎもできずに呼吸さえ止めて頑なに固まった。 なんだろうこれ。 さっきまであんなに荒々しくてひどかったのに今はこんなに……優しい……? ううん、違う。 この人、おれに甘えてる。 「由紀生が……」 「え?」 「バカみてぇにクソかわいいから」 褒めているのか貶しているのか。 「そ、それ、どういう意味ですか?」 「クソクソクソかわいいから」 「あ」 由紀生はまた数也に押し倒された。 でも、もう怖くない苦しくない痛くない。 間近に数也にじっと見つめられて高鳴りが興奮に変わった。 「俺のことわからなくてもいい」 どくん、どくん、鼓動がうるさい胸を大きな手で直に撫でられて。 きゅっと乳首を摘ままれた。 「ん、っ」 「でもいつか由紀生は誰よりも俺を知ることに……なる」 きゅっ、きゅっ、きゅぅっ 「ん~~っ……嫌、です、それ……くすぐったい……」 「これか」 きゅぅぅぅぅっ 「ぁん」 今まで出したこともないような声が自分の唇から洩れて由紀生はさらに赤面した。 「これとかどうだよ」 きゅぅきゅぅ摘ままれていた乳首を今度は舐め上げられた。 ゆっくり、丁寧に、舌先でびしょびしょに濡らされた。 「ッ……嫌、おれ、男なのに……っ」 「男で、その上、……、だけどな」 「え?」 「なんでもねぇ」 「あっ」 制服越しに股間を愛撫されて由紀生はぴくんと微痙攣した。 「あ、あ、ぅ……やめ……て」 「……なぁ、由紀生……もしかして」 「……え?」 「童貞か? 経験ねぇの?」 その問いかけに由紀生は耳までほんのり紅潮させて。 素直に、コクンと、頷いた。 やべぇマジか。 まさか童貞オヤジに巡り合うことができたなんて、奇跡か、これ。

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