37 / 134

パラレル番外編-5

まだ童貞喪失にも至っていなかった由紀生は。 「はぁーーっ……はぁーーっ……」 まっぴんくな部屋のほぼ半分を占めるベッドで今日初対面の数也に後ろの処女を根こそぎ奪われた。 「ひぁっぁぁ……っあん、こんなの……っこんなの……っ!!」 蕩けてしまいそうだ。 痛みを上回る凶暴なくらいの快楽。 体中に甘い毒が回って理性が蝕まれそうになる。 「あん……っナカぁ……熱、ぃ……っ」 数也のペニスでナカを擦られる度にかつてない昂揚感に身も心も支配された。 アナルをみちみち拡げられ、ずぼずぼと行き来するその抽挿感に性感帯がこれでもかと発熱する。 触れられていないところまで無性に疼いた。 「あん…………ッッ!」 最奥辺りを強めに擦り上げられて由紀生は甘い悲鳴を奏でた。 シーツに両手を突いてすぐ真上に迫る数也の肩に縋りつき、捩れた声音で問いかけた。 「ど、して……こんな……っ? 初めてなのに……ッふっぁ……ぁッ、こんな……感じるんですか……?」 「俺だからだろ」 「……どこかで……おれは、あなたと……出会ってるんですか……?」 違う。 これから会うんだ、オヤジ。 「素直に感じてろよ、由紀生」 余りにも馴染み深く思える熱に体の奥底を蕩かされて戸惑う由紀生に数也はキスした。 微熱の溜まった口内を舐め回しながら腰だけを連続して波打たせる。 肉孔の奥で小刻みに速やかに突けるだけ突く。 突くのと同時に腹の狭間にある濡れそぼったペニスをしごいてやった。 「んむッッッ!!!!」 由紀生の悲鳴まで数也は食べ尽くした。 肩に爪を立ててしがみついてくる、最愛なる存在を薄目がちに見つめた。 新緑じみた瑞々しさに花蕾の艶めく息吹が差したような移ろい。 ああクソ、オヤジがこの後誰かのモンになるなんてな、想像しただけで殺意が止まんねぇ。 でも、その通過がなければ、俺とオヤジの出会いは失われる……。 殺意と共に溢れ出る嫉妬、押し殺す、花弁の色に全身が濡れた由紀生を見つめる、飢える、我をなくす、本能がせり上がる、呼吸を忘れる。 どくんっっっっ!!!! 「ッッッ!!!!」 「ッ……はぁ……」 数也は由紀生に痕を刻んだ。 一夜限りの痕を。 そして数也は。 いるべき世界に帰るべくして帰ってきた。 「カズ君、その傷どうしたの?」 「好きなコに引っ掻かれた」 「えっ」 詰襟ではなくスーツにネクタイの由紀生は淀みない息子の返事にもろにショックを。 数也は思わず笑う。 あの由紀生には、多分、もう二度と会えないだろう。 でも俺にはオヤジがいる。 もう一生誰にも渡さねぇ、俺だけの。 「そ、そう、好きなコが。一体どんなコなの?」 「俺のオヤジ」 「……」 「俺にはソイツだけ」 ぶわわわわ、と両耳真っ赤になった由紀生に究極ファザコン息子はキスを。

ともだちにシェアしよう!