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孕みパラレル番外編-2
「カズ君……っ?」
由紀生はどきっとした。
数也の片手が浴衣の合わせ目を潜ってきたかと思うと胸元へやってきた。
自分と同様に火照りを引き摺っている、熱い掌が。
「だ、だめだよ……こんなとこで、カズ君……ここ、旅館だよ? 他の人だって泊まってるのに……」
「どの客も離れでバラバラ、誰も気づかねぇよ」
指の腹でぷにぷにと乳首をいじられ、布団の中で首をすぼめた由紀生は嫌々と首を左右に振った。
「だめ……っだって今日……お父さん、アレ……持ってない」
「……」
「カ、カズ君だって……持ってきてないでしょ? お父さん、今日は……危険日だから……ね? 今日は我慢しよう?」
ぱちっ
不意に灯された枕元の間接照明。
優しい薄明かりで視界が少し開けた由紀生が恐る恐る肩越しに振り返れば、数也の真っ直ぐな眼差しとぶつかった。
「カズく……」
キスされた。
止める暇もなかった。
「……ん……っ……」
唇が重なり合った瞬間、ぴりぴりとした電流じみた刺激が熱もつ全身に伝わった。
舌先で口内をぬるぬるくすぐられ、微熱を注がれると、さらに発熱した。
「んっっ」
無防備極まりない浴衣の狭間から忍び込んだ手に太腿をまさぐられただけで甘い震えに貫かれた。
「オヤジ……エロ」
「カズく、っぁ……だめ、だってば……っ」
「うるせぇ。ずっと我慢してたんだからな」
「えっ……?」
「風呂場で押し倒して、オヤジのこと、すっげぇ奥まで突き上げてやりたかった」
「ん……っん、ん……ゃめ……っ」
「無防備なんだよな、オヤジは。職場でもあんな顔してんじゃねぇだろーな。あのゲス部下とかにしてねぇ? あんな風に笑いかけてねぇだろーな?」
「ゃぁぁ、ぁ、ぁ、しっ、してないっ」
「……まーどーでもいーわ」
本当はぜんっぜん、ちっとも、全くもってどうでもよくなかったのだが。
息子の数也は父親の由紀生を仰向けにした。
まだ完全に乾いていないしっとり髪、乱れた浴衣、合わせ目から絶妙な加減で覗く片乳首に、片太腿。
四十路に到底見えない、自分と同年代に見受けられてもおかしくない、瑞々しさ保つ似非二十代フェイス。
「セックスするぞ、オヤジ」
究極ファザコン息子に負けず劣らず、おやばかな由紀生、我が子のワガママに結局折れてコクンと頷いた。
「……でも、なかはだめだよ、カズ君……?」
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