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つけっぱなしになっているお昼の特番バラエティ。 「んーーー……カズきゅーーー……」 ダイニングテーブル上の料理はほとんど残されたまま、反対に空になったワインボトルにグラス。 「カズきゅ、みたいな立派な息子をもって、おとーさん、幸せ者です……」 リビングのソファに引っ張って連れてこられた数也。 言われた通りに腰掛ければすぐに由紀生がお膝に乗っかってきた。 「おとーさん、幸せ者です……っ」 オヤジ、酔っ払いやがった。 えらく早いペースでスイスイ飲んでるかと思ったら、あんま慣れねぇワインであっという間に出来上がった、珍しくベロンベロンだ。 「オヤジ、飲み過ぎたな」 「そんなことないっ」 ムキになって言い返してきた由紀生をお膝から下ろして水を取りに行こうとすれば。 「やだーーーっ」 駄々っ子みたいに真正面から抱きつかれた。 「カズきゅーー……行っちゃ、や……」 自分より体格のいい我が子にぎゅっとしがみついてスリスリしている由紀生、とてもじゃないが四十路に見えない、ハメを外して酔っ払った大学生にしか見えない。 「ん……あったかい……」 しばしスリスリを続けていた由紀生は、もぞり、やや髪の乱れた頭を起こすと白ワインのフルーティーな香りが残る唇で数也におねだりした。 「カズきゅ……ちゅー……」 酔っ払いオヤジしぬほどクソクソクソかわいすぎんだろ。 「ん」 「っ……ン……ン……ン」 大歓迎なおねだりに応えて数也がキスしてやれば由紀生は気持ちよさそうに喉を鳴らした。 シンプルな部屋着が擦れ合って柔らかな衣擦れの音を立てる。 クチュ、クチュ、ぬる、ぬる、絡み合う舌。 濡れていく唇の狭間でヤラシクねっとり動く。 「酒くせぇ」 歯列の裏やら喉奥まで堪能して唇を解放すると、溜め込んでいた吐息を色っぽく溢れさせ、とろんした双眸で上目遣いに由紀生は数也を見つめてきた。 「カズきゅは……ちゅーも上手になったね……」 酔っ払いオヤジかわいすぎの塊か。 「イイコ、イイコ」 由紀生はふにゃっと笑って我が子の頭を撫でる、究極ファザコン息子はそんな父親の手首をむんずと掴むなり、自分の口元へ。 指先にしゃぶりつく。 一本ずつ、時には複数まとめて、悪戯に不埒に吸い上げた。 「コラ……だーめ……犬みたいだよ、カズきゅん……?」 「ん……オヤジの指、ウマ、もっと食わせろよ」 「こーら……お行儀悪いよ……めっ」 「めっ」じゃねぇんだよ、限界越えてんだよ、どこまでかわいさ爆発させる気だコノヤロー。 「戌年だしな」 今にも大型猛犬に姿を変えそうな数也は由紀生をソファに押し倒した。 頭はふわっふわ、体はぽっかぽかな由紀生の赤らんだ頬をべろりと舐め上げて囁きかけた。 「オヤジの犬になってやるよ」 「犬……?ワンコ……?」 「何でも言うこときいてやる」 「カズきゅんが、おとーさんの、ワンワン……」 「オヤジにだけ全力ご奉仕してやる」 すぐ耳元で紡がれる低音ボイスにより火照りゆく体。 酔っ払って理性は解れ、羞恥心も遠退いて、下半身に広がるムズムズ感に細腰を悶えさせて。 ジンジンする胸の突端に切なげに眉根を寄せて、由紀生は、数也に過激なおねだり。 「おとーさんのおっぱい……舐めて……?」

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