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16-3
彼は鬼のお面をつけていた。
紙製でお菓子のオマケにでもついていそうな、ペラペラした、鼻から上を隠して口元は見えているタイプだった。
「やめッ……そこ痛いよ、カズく……っっ」
片腕を掴まれて自宅に乱暴に由紀生は引き摺り込まれた。
さらに息子の寝室に連れ込まれたかと思えばベッドに押し倒され、あれよあれよという間に……尿道舐めの刑に。
ビジネスコートを着込んだまま、ズボンは脱がされ、ソックスはそのまま、太腿に情けなく引っ掛かったボクサーパンツ。
膝裏を掴まれて無理矢理押し開かれた両足。
ミリタリージャケットを羽織った彼は床に両膝を突き、片手で由紀生のペニスを握りしめ、綺麗に剥けた先っちょをすっぽり頬張っていて。
尖らせた舌先をちっちゃな尿道口にグリグリ捻じ込んでは、ほじほじ、ほじほじ、浅くほじくり回す。
唾液を垂れ流し、天辺をぬるぬるにすると、またグリグリ奥まで沈めて無慈悲に拡張、狭苦しい内部で残酷に舌ピストン。
窮屈過ぎる尿道壁の狭間で器用に舌尖を行き来させる。
ピリピリした痛みが走り、由紀生はベッドの端で息苦しそうに悶絶した。
「痛ぃぃ……っおしっこするとこ、ばっかり、舐めないで……っ汚いから……ッ」
由紀生がいくら拒もうと一切聞く耳を持たない彼。
今度は尿道口を思いっっきり吸い上げてきた。
「ひぃん」
暗い部屋、数也の体温が染みついたシーツの上で由紀生は堪らず悲鳴を上げた。
ピリピリした痛みの中に何とも言えないむず痒さが生まれ始める。
尿意じみた感覚に下半身がブルブル波打つ。
……会社でトイレ行っておいてよかった。
「カズ君……っ豆まき、しないの……? もう節分終わっちゃうよ?」
「カズ君じゃねぇだろ」
「え?」
お面をつけた彼は戸惑う由紀生のカリ裏をれろぉり舐め、言う。
「今は鬼だろ」
「はッあ、やあ、ンッ、いッ、痛ぃ……ッッ、あーーーーー……ッ痛……ッッ」
尿道舐め、尿道吸いの繰り返しに涙ぼろぼろな由紀生。
時に根元までがっつり咥え込まれてディープスロート。
猛然とむしゃぶりつかれて、喉壁でしごかれて。
カリ首を執拗に舐め回された。
睾丸までかぶりつかれて勢いよく吸引された。
「ひゃあんっ……!!」
睾丸に貪欲にかぶりついている間、ぬるぬる塗れな尿道口を相変わらず指先でぐりぐりぬぷぬぷしていた彼は言う。
「このタマからアンタの精液一滴残さず吸い出してやるよ」
そう宣言したかと思えば、即実行、容赦なく亀頭吸い。
「やッッッッッ」
乱暴なフェラチオ三昧に由紀生は嫌々と首を左右に振った。
カズ君、ひどいよ、いきなり攫うみたいに家に連れ帰ってきたかと思えばこんなこと。
いくらお父さんでもこんなの怖い。
「ん……ビンビンなくせになかなか射精しねぇのな、我慢してんのか?」
……そもそも、このコ、ほんとにカズ君?
……顔の半分が隠れてるから、でもいくらなんでも息子だし、だけどこんな声だった? こんなにひどかった?
もしかしてカズ君、鬼に食べられちゃった?
お父さん、今、鬼にレイプされてる?
混乱した由紀生は股間に顔を埋めている彼を涙目でためらいがちに見つめた。
視界が悪いはずの彼は探るような由紀生の視線にすぐに気が付いた。
尿道口に捻じ込んでいた舌先をぬっぽん引き抜き、拡がった孔を美味しそうに舐め上げながら、笑った。
「俺のエサにぴったりだな」
っ……怖い!!!!
「うっ……く……ううううう……っ」
「ん?」
「うっうっぅっぅっ……ぅーーーー……っ」
「おい?」
四十路の由紀生、ガチで泣いた。
あれだけ尿道攻めに夢中になっていた彼が一時停止に陥るくらいに泣いた。
「こわっ、怖ぃっ、もうやだっ、ふぇぇんっ、カズ君っ、カズ君どこにいるのっ……お父さんと豆まきしよう……? 食べられてなんか……っないよね……?」
両腕で顔を覆ってヒックヒックしゃくり上げる由紀生にその呼号は届く。
「オヤジ」
ビクっとして、恐る恐る、両腕を退かしていけば。
「俺はここにいるだろ」
お面を額にずらして自分を覗き込んでいる数也がちゃんとそこにいた。
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