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パラレル番外編-2

「お父さん、これって夢なのかな」 黒髪で長身、バレンタインデーには学年問わず多くの女子からチョコレートをもらっていた、さも軟弱そうな由紀生とちっとも似ていなかった高校三年生の男前息子。 今、その姿は紛れもない狼男となっていた。 父親と色違いのパジャマは急発達した胸筋のためボタンがいくつか吹っ飛んで、黒髪はふっさふさの毛並みに、そして尖った大きな三角耳、金色に鋭く光る眼、肉食歴然なる牙。 「あ、あのね、カズ君、カズ君は狼女の血を引いててね」 「狼女……? 初耳だぞ……」 あ、あれ、カズ君、外見どころか口調も何だか……? 「あ……っお父さん、どうしても言えなくて……カズ君との生活、その、壊したくなくて……」 ビキィッッ 由紀生は目を疑った。 鉤爪を生やした数也の両手が洗面台にヒビを入れ、その馬鹿力ぶりにぎょっとした。 「カズ君、駄目だよ、リフォームしたばかりなのにっ」 「こッ……んな大事なこと、俺に秘密にしてたかよ、オヤジは」 「俺ッ?オヤジッ? ……あ、ごめん、ごめんね、お父さん、カズ君を傷つけたくなくて」 「今、俺、人生で一番傷ついてんだけど……?」 ビキビキビキビキッ 「ひっ! カズ君、それ以上はほんと駄目っ、危ないよっ」 「危ない……? 何が、誰が……? 俺が危ないって……?」 「……カズ君……」 鏡に写る呪わしい己の姿に釘付けになっていた数也は立ち竦む由紀生をやっと見た。 「俺が怖ぇの、オヤジ?」 「わぁぁっ……だめだめだめだめっ……カズ君、コラぁッ……ほ、ほんとだめだからぁ……ど、して、こんなひどいことッ……あ、あ、あ、あ、あ……ッだめ、ぇ…………ッッ!!」 マンション自宅、唯一明かりが灯った洗面所前の廊下で由紀生は悲鳴を上げた。 引き裂かれたズボンとぱんつの残骸が纏わりつく下半身、ボタンが引き千切れた水玉パジャマを上半身に引っ掛けた由紀生。 全裸となった半狼数也。 半端ない熱を秘めた半狼息子のおらおらペニスが軟弱アナルを強引に突き進む。 震える四つん這い父親の腰を全力で引っ掴み、初拡張に怯える尻膣の拒絶感に逆らい、肉と肉の狭間を凶暴肉塊でぐいぐい割っていく。 「い、いッ、痛ぁ……ッ」 痛みに全身を引き攣らせる由紀生に数也は。 「オヤジの処女、美味しく喰ってやってガチ●●●にしてやる」 「ッ!!?? カズく……」 「ガチ●●●にしてくださいって言え、オヤジ」 こんな下品なこと言うなんて、この子、カズ君じゃない。 きっと彼女の、ううん、彼女も苦しめてきた狼人間の血に操られて、こんなひどいことしてるんだ。

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