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パラレル番外編-4

丑三つ時を過ぎた頃。 延々と続くかと思われた淫らな凶行が不意に静まった。 「はーーーッ……はーーーッ……」 突かれては種付けされ、種付けされては突かれていた由紀生。 ずっと後ろから攻められっぱなしで、濃密に重なり合った下肢の下には結合部から溢れた半獣汁がみずたまりをつくっていた。 一度も達していない由紀生のペニスが虚空でぴくぴく悶絶している。 空中に腰だけ浮かした体勢で、汗とカウパーに満遍なく濡れそぼって、卑猥に艶めいていた。 「は、あ……ッッ……はぁ……っはぁ……っ……、んっっっ」 弛緩しつつあったアナルから猛ピストンに励んでいたペニスがおもむろに引き摺り抜かれた。 すると。 たんまり中出しされた半獣汁が豪快に溢れ出した。 虚脱しかけていた由紀生は目を見開かせる。 えもいわれぬ感覚に全身をカッと火照らせた。 「や、やだ……こんないっぱい……ぅぅぅ……っもぉやだ……もぉきついっ……おふろはいって寝たぃ……っ」 こどもみたいに愚図っていたら背後でクスクス笑う声が。 由紀生は涙に満ちていた目を何度も瞬きさせた。 振り返れば、いつもの、人間の姿に戻った数也がそこにいた。 「っ……カズくん……」 思わず父親は息子に抱きついた。 「カズ君……よかった、元に戻ってくれて……ぐすんっ……カズ君、怖かったでしょ……」 「……怖かった? 俺が?」 「うん、怖かったよね……? 自分が自分じゃなくなって怖かったでしょ……? でも大丈夫だよ……ずっとお父さんがついてるから、大丈夫……怖くないからね……、…………、……俺?」 裸胸に頬擦りしていた由紀生は「あれ?」と思う。 普段の息子の一人称である「僕」でなく「俺」と言った我が子を怖々と見上げる。 そこには、やはり、いつも通りの数也がいた。 尖った耳もない、双眸が金色に光るわけでもない、牙もない我が子がいた。 「俺はずっと俺だったぞ、オヤジ」 混乱している由紀生にファザコン息子は口づけた。 「むしろ昨日までの俺が俺じゃなかったかもな」 「あっ……あんっ……あんっ……」 「ゲスな欲求、毎日殺して、優等生のフリして」 「んや、ぁ……っ」 「限界超えて。人の理性が狼の本能に喰われたのかもな」 そこは数也の部屋だった。 ベッドの上で由紀生はまたしても。 しかし今は正常位、長々と溜め込まれていた欲を発散させてやろうと我が子の手にペニスをしっかりしごかれて、甲斐甲斐しく乳首まで弄繰り回されている最中だった。 「カズきゅっ……や、ぁっ……でちゃっ……」 「だせよ。オナニーだって最近してなかっただろ」 「やだっ……ど、して、知って……」 「そりゃあ家族だから」 半獣汁で奥の奥までどろどろな尻膣を息子ペニスで改めてぐちゅぐちゅ掻き回され、乳首を交互に大胆に吸われ、先っぽを集中的にコスられて。 数也の真下で由紀生は数ヶ月振りの精液解放に至った。 「でちゃっ、でちゃぅっ、いっぱぃ……っでちゃ……っ」 「いーぞ、溜まってた分、いっぱいだせよ……? 俺でよくなれよ、オヤジ……?」 「あぁ、ン……っ……ぃ、や……っ」 「すげ。とろっとろ」 濃厚泡を弾くだけ弾いたペニスを手放し、数也は、父親の精子に塗れた指を美味しそうに一本ずつ舐め上げた。 「カズ君……まずいでしょ、ぺっ、していいから……」 「激ウマ。なぁ、オヤジ。ずっと俺についててくれんだよな? 人と違う俺のそばにずっと、永遠に、死ぬまでいてくれんだよな?」 「お、お父さん、そこまで言ってない……ねぇ、いい加減、コレ、そろそろ抜こう……?」 「……」 「あんっ! っ……やめ、また溢れちゃぅ……もぉ、はぃらなぃから……あン」 「オヤジはずっと俺のモンだからな」 「あっぁっ……カズきゅ、の、おちんちん……ずっと硬くて……熱ぃ……?」 「イイコちゃんの時よりも。ワルイコの俺でオヤジのこと、ずっとよくしてやる……」 物心ついたときから抱え続けてきた欲望が解放されて疲れ知らずな究極ファザコン息子。 そんな我が子についときめいてしまう究極親ばか由紀生なのだった……。

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