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「ちょちょちょっ、待って、カズきゅ……っ」
腹にくっつけられた氷が息子の指によってぬるぬる移動し、胸元にやってきたかと思えば、ぷるるん乳首のすぐそばにあてがわれた。
「や……っやめ……」
乳輪を一周し、突起に直接、触れる。
ぬるついた冷たさに由紀生はつい胸を反らす。
何とも言えない感覚にあられもない興奮がぶり返してきた。
「や……やぁ……つめたいの、変……っ……カズきゅぅん……っ」
「オヤジのちんぽビクビクしてんぞ」
「やぁ……っビクビクなんか、してな……」
「してんじゃねぇか、次はちんぽにくっつけてみっか」
「っ……や、やめ……だ……っだめだめだめだめっ……カズきゅっ、こらぁっ、やめなさっ、っ、ぁ、ぁ、っ……ふぅぅぅん……っ」
ほとんど溶けかけて粒状になった氷でペニスをなぞられて由紀生はブルブルゾクゾク、甘えん坊みたいに抱き枕をぎゅっとハグして顔を埋めた。
「没収」
ガチで嫉妬した数也、無情にも抱き枕を奪い取るとリビングの隅っこへ放り投げてしまった。
冷えた手で由紀生のペニスをぬるぬるびちょびちょしごきながら口内に氷を含んだまま、ぷるるん乳首にキス。
性感帯を冷やされるのと同時に熱くされる。
あべこべな刺激に由紀生は色っぽく身悶えつつも言うのだ。
「もぉ、やぁ……っ……カズきゅ、ひどぃ……っお父さんに抱き枕 返してぇ……」
!!!!!!
四十路のくせ……っ一般的に言やぁ中年のくせ……っ年齢的にはオッサンのくせ……っ。
どこまでクソかわいくなりゃあ気が済むんだよオヤジッッッッ。
「オスの抱き枕なんていらねぇだろッ!俺がいんだろぉがッ!」
「やだ……っカズきゅ、あつい……っシロクマくんみたいにヒンヤリしてない……っ……んぶぶぶ……っ……!」
由紀生に深々とキスした数也は火照った口内から小さくなった氷を攫った。
互いの唇を行き来させる。
二人の唾液でさらに見る間に溶けていく氷。
「……熱帯夜、上等じゃねぇか、なぁオヤジ……?」
仮膣内に沈めていただけのペニスピストンを再開させる。
ぐずぐずになりそうな肉孔を行き来する逞しい熱源。
残滓を纏わりつかせて、意地悪く、荒々しく、奥を突く。
「あんっ、んっ、んっ、カズきゅっ、あんっ、やっ、ふぁんっ」
「はーーーーー……ッ……あんまりにもこう熱いと……俺とオヤジ、ガチで溶けっかもな……ッ」
「あっ、ああんっ、奥っ、熱いっ、カズきゅっ、あんっ、んっ、あんっ、やんっ」
上体を起こした数也に腰を掴み持ち上げられ、下半身が浮き気味になったところでエグさ満点激短ストローク、最奥を連続してド突き上げられて由紀生はとうとうエビ反りになった。
途方もなく荒ぶる我が子を半開きの双眸で見つめて蕩けるように笑いかけた。
「ほんとに溶けたら……カズくんと、まざりあって、ほんとにひとつになる……?」
差し伸べられた両腕に数也は抱かれてやる。
絶頂目指してフル速度で突っ走りながらも、愛して愛してクソ愛してやまない由紀生のことをきつく抱き返した。
「お素麺がいい」
「ウナギ」
今夜の晩ごはんで揉める由紀生と数也。
「ウナギなんて贅沢だよ、カズ君」
「俺が出してやるよ」
「そこまで言うのなら」
渋々な口調とは裏腹に出前のメニューをいそいそと出してきた由紀生。
廊下やらリビングの床を空拭きしていた数也は額の汗を拭い、どれにしようか迷う父親の姿に究極ファザコン息子よろしく見惚れた。
「じゃあお父さん特上」
「代わりにオヤジは俺の夏バテ解消相手になってもらうからな」
「やっぱりお父さんお素麺がいい」
「遠慮すんなよ、オヤジ」
溶けなくたって俺とオヤジはずっと二人でひとつ、だ。
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