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【高校生編】2-1
昨日、午後一でドS先輩トリオに保健室で美味しく頂かれて、そのショックで唯来は仮病早退した。
「唯来くん、おはよっ」
「具合だいじょーぶ?」
朝の通学路、クラスメート女子に駆け寄られて甘爽やかぶりっこスマイルを意地になって取り戻した。
「おはよ。もうだいじょーぶ。あ、いい匂い。この香水、どこの?」
今日、絶対誰かとシよ。
ていうかどっちかさせてくんないかなー。
ナマ可だったら付き合ってあげてもい。
むりくりゲス欲を高めて現実逃避、クラスメート女子と共に一年生教室に到着、そして。
「おはよぉん、唯来チーーーン」
教室の出入り口で凍りついた。
中央付近に位置する自分の席に腰かけた、第二ボタンまで半袖シャツのボタンを外してネクタイゆるゆるな褐色肌の滉大。
長袖を腕捲りして着席していた匠海。
そのすぐそばに手持無沙汰に立っていた、ネクタイなし、半袖下に七分の黒インナーを着た龍。
いや~な現実に否応なしに連れ戻された唯来。
「昨日すっごい酷使させちゃったからさ~唯来チンのカ・ラ・ダ? 心配だから、滉大、来てみちゃった♪」
明らかにビビッている周囲、全く気にするでもない上級生三人。
肉食獣が中央を悠々と陣取って群れる草食動物が怯えているかのような。
いつまでも凍りついているわけにいかず、壊れかけの甘爽やかぶりっこスマイルで取り繕って、ブルーの半袖シャツにネクタイ、チェックのスラックス、スクバを肩に引っ掛けた唯来は自分の席へ恐る恐る近づいていった。
「お、おはよぉございまーす……」
なんでいんの、この人達。
まさか教室で公開レイプとか始めたりしないよね?
そこまで極悪鬼畜じゃ……ないですよね?
「お。ちょうどいータイミング。おはよぉん、はるる~~ん」
大袈裟に片手を振った滉大、唯来は慌てて振り返った。
自分と同じように教室出入り口で凍りついている陽真を見つけた。
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