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【高校生編】2-3
極々ありふれたスッキリ黒髪。
表立って明るく振る舞うわけでもない、運動部の中では大人しめな性格。
困っている人間がいたらすんなり手を差し伸べる。
変に大袈裟じゃなくて、押しつけがましくなくて。
成績はまぁまぁ、部活では補欠、地道に日々トレーニングを頑張っている。
放課後、そんな陽真と一緒に、二年の滉大に案内されて唯来はやってきた。
学校から徒歩二十分で着いた新築マンション。
ブシャアアアアッッッ!!!!
2LDKの解放感あるリビング、やたら横長なソファに座ってスプラッタホラー映画鑑賞会。
それだけならまだ耐えることができた。
カーテンを閉め切ってわざわざ暗くした室内。
これ何インチなのと問いたくなる大画面ではどぎつい切り刻みショーが進行中。
「かわいそ」
ちゃんと見ているのは真ん中に座ってポップコーンをぱくつく龍だけ。
その両隣では。
「ん……っぷ……ぅっ」
「ン、ン……ッ……んん……ッ」
唯来は匠海に、陽真は滉大に、同時進行でキスされていた。
「はるるんの処女唇、ウマ」
バスケ部では低めの身長170センチな陽真を横抱きにした182センチの滉大。
ずっと眉間に縦皺を寄せて不躾な唇に耐えている後輩に問いかけた。
「女の子と付き合ったことないんだよねー?」
「し、知らな……」
「はぐらかしたりウソついたら拡散の刑~」
「ッ……ない、です」
「彼氏は? いんの?」
「ッ……い、いな……ッそんなモンッ」
「アナニー経験バリバリあるっしょ?」
「ッ……ッ……もう、嫌だッ、やめ……」
「んんん゛んんん゛んッッ!!」
滉大の膝上で陽真はビクッとした。
大音量で流れている哀れな犠牲者の悲鳴よりも大きく響いた唯来の声、慌ててそちらに視線を向けてみれば。
「んっんん……っンンン~~~~……っ」
179センチの匠海の膝上に向かい合って抱っこされた171センチの唯来。
鬼畜先輩にガッツリ深々と唇を捕らわれた彼はかつてない悩殺キステクに……もう勃起していた。
いや、勃起だけではおさまらなかった。
匠海のキスだけで……いってしまった。
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