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第200話

*** ザァザァと雨が降る中、僕たちは二人一つの傘に入って歩いていた。 どうしても相合傘がしたい、とアリスが言って聞かないから仕方なく。 狭いし、僕が濡れないように傘を僕寄りに傾けてくれているからアリスの肩が濡れてしまっている。 ほら、こうなるから相合傘は止めようと言ったのに。 帰ったら先にお風呂だな。 「相合傘してると、世界に俺と白雪の二人きりになったみたい」 「そうだね。雨が降っているとあまり音が聞こえないから」 ふふ、とお互い笑いあっていたら、ふと誰かの視線を感じた。視線を感じた所を見たけれど、誰もいなくて気の所為だと言い聞かせた。 「白雪?どうしたの?あ、わかった!お醤油買うの忘れたんでしょ!」 「あ!!ほんとだ!まだ間に合うよ!戻ろう!」 お醤油を買い忘れた事に気を取られて、手を繋いでいる事をすっかり忘れてスーパーにダッシュで向かった。 スーパーでは顔馴染みになっていて『おしどり夫婦』なんて呼ばれている。 やはり僕が妻らしい。 一人で買い物に来ると「今日は旦那さん居ないのね~」なんて声を掛けられるし、すごい恥ずかしい。 そして手を繋いでスーパーに戻ったものだから、ヒューヒューと歓声を浴びた。 もう恥ずかしくて顔が真っ赤だ。

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