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第207話
目が覚めると深夜1時を回っていた。
男は僕の隣でイビキをかいて寝ていた。
体に異変はないから、寝ている間に……と言うのは無さそうだ。
今頃アリスは何をしているだろうか。
突然居なくなった僕を心配しているだろうか。
鍵閉め忘れちゃったな。
会いたい。
アリスの体温に触れたい。抱きしめて欲しい。
思い出してしまって、また涙が溢れる。
眠っているカガワの隣で静かに泣いていた。
これから僕はどうなるんだろう。
カガワは僕の事をどうするつもりなのだろうか。
こんなイカれた事をする男が、まともな生活を送らせてくれる訳がない。
幸せな生活から一転、どん底に突き落とされた気分だ。
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