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第214話

成宮に白雪の様子を見に行かせて数分が経った。そこで成宮からの電話が鳴った。 胸のザワザワが大きくなる。心臓がドクドクと早いスピードで脈を打ち、呼吸がしづらくなる。 落ち着け、きっと大丈夫。そう言い聞かせ、深呼吸をして電話に出た。 「…もしもし」 『遅かった』 「……は…?」 『白雪がいない。鍵が開いていたから誰かに強制的に外に出された可能性が高い』 頭が真っ白になった。 俺のせいだ、きっと大丈夫だろうって放置してしまったから。大切な人を失ってしまうかもしれないというのに。 頭をバットで殴られたかのような衝撃に、クラクラして吐き気さえした。 「探しに行く」 『待て、早まるな。とりあえず夜まで様子を見よう』 「そんな悠長な事言ってられないだろ?!」 『もしかしたら、ただ出掛けているだけかもしれないだろ。焦りすぎても危険だ。見極めろ』 成宮の言葉にグッと言葉に詰まる。 言っていることは正しい。だけど、白雪が安全だという保証はないだろう。 今、この時も白雪は痛い思い、苦しい思いをしているかもしれないと思うと、心がズキズキと痛む。

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