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第217話

「宅急便の姿をした男がお前の家の周りを彷徨いている。 こいつを調べて見たが、少々厄介なやつだ。香川 洋一、31歳。麻薬の密売や、人身売買に手を出している。白雪も、もしかしたら……」 「可能性があるなら探す。そいつは何処に?」 「監視カメラの映像では、〇〇区のラブホテルに入って行ってる。大きなキャリーバッグを持ってな。小柄な人間なら簡単に入れる大きさだ。恐らく白雪はここにいる」 成宮に頼んで、監視カメラの映像を全て洗ってもらった。 家の近くに設置された監視カメラから、乗ってきた車のナンバーまでも分かっている。 優秀な秘書はハッキングまで出来るらしい。色んなサイトに潜り込んだ後始末は俺がする。このくらい揉み消すのは朝飯前だ。 〇〇区のラブホテル、103号室。 とにかく行ってみるしかない。何かあった時の為に成宮も同行してもらうことになった。 車で数十分で着くそのホテルは、路地の入り組んだ場所にあってすごく分かりづらかった。確かに拉致して隠しておくにはとっておきの場所かもしれない。 ここは無人のラブホのようで、誰もいなかった。 パネルを見ると103号室は既に使われていた。 きっと白雪はここに…… 「大丈夫か?顔色がよくない」 「このくらいどうてことない。行こう」 俺たちは103号室に急いだ。 鍵がかかっているのは当然の事。どうにかして鍵を開けてもらわないといけない。 コンコンコンと3回ノックして 「すみません。フロントの者ですが」 ラブホでフロントの人が足を運ぶ事はそう無い。だからこそ、何かあった、と思い鍵を開けてくれると思ったのだ。 「はい?」 鍵を開けて出てきたのは、さっき監視カメラに映っていた男、香川に間違いなかった。

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