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第218話
そうと分かったら、男の顔を足で蹴った。 背の低い香川の顔を蹴るなど容易い事だ。
「アガっ!!!」
「はは、すみません。足が長いもので。 お邪魔します」
倒れて蹲っている男を尻目に、ズカズカに中に入る。
俺の目に飛び込んで来たのは衝撃的だった。
ベッドの上でぐったりとしている白雪。手を縛られていて、足にも縛られた跡がくっきりとできている。
体中に殴られた痣があり痛々しい。
「白雪!白雪!!」
何度も呼びかけるが、返事はなかった。 気絶しているようだ。 手を拘束している紐を解いて、上に着ていたジャケットをかけてやる。
頑張ったね、白雪……
スルッと頭を撫でた。
さて、どうしてやろうか?
腕まくりをして、ハッと笑うと男は怯えた表情を見せた。
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