218 / 267

第219話

「ゆ、許してくれ!」 「ははっ、許す?何言ってんの? お前、人の大切な人奪っといて甘ったれたこと言ってんじゃねぇよ」 腰を抜かして床に座っている香川にジリジリ詰め寄る。後ろに下がって距離を取ろうとするが、壁際に追い詰めて逃げられなくした。 香川の顔スレスレの壁をガッ蹴ると、「ひぃっ…」と情けない声を上げた。 「なぜ白雪を拉致した?さっさと言え」 「数年前、人身売買の闇オークションで…… ひ、一目惚れして……」 「へぇ、そうなんだ。でも拉致して言い訳ないよね? 白雪と楽しい時間を過ごしたみたいだけど。 何したの?」 恐怖からか、顔が真っ青になってぱくぱくと魚のように口を動かしている。 「何したって聞いてんだよ。さっさと答えろ」 「は、はいっ! その…て、手足を縛って…媚薬を飲ませて……前にコックリング、後ろにバイブを入れて……ほ、放置して…」 「ハハッ…」 思わず乾いた笑いが出た。 腸が煮えくり返りそうだ。

ともだちにシェアしよう!