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第223話
突然泣き出した僕を見て、ギョッとするアリス。
ぎゅうっと抱きしめてぽんぽんとあやすように背中を優しく叩いてくれる。
「どうしたの?どこか痛い?」
「う、ぁ……ちが……っ、だって、もう会えないと思ってた……」
「……うん」
「ふ、ぅ……っ、怖かった……」
我慢していた糸がプツンと切れて、アリスの胸で泣いた。 優しく抱きしめてくれる胸が温かい。
僕が落ち着くまでずっと抱きしめてくれていた。
好き、大好き……
でも僕は汚れてしまった。 汚い僕なんて要らない。
「アリス……ぼく、……僕は……」
「大丈夫、白雪は綺麗だよ」
「そんな、こと……ッ」
あの男に抱かれた事が、僕の心を黒く染める。
僕は汚い。あの男に抱かれてしまった。
風俗で働いていた時は何人ものお客さんに抱かれても何とも思わなかったのに、アリスを好きになってからその考えは変わった。
初めて大切な人が出来て、大好きな人に抱かれる幸福を知ってしまった。
薬が効いていたとはいえ、抵抗できなかった。
ポロポロお涙を流す僕に優しくキスをする。
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